サウスポー


 2020.12.6      子供と暮らすためにボクシングで復活する【サウスポー】

                     
サウスポー /ジェイク・ギレンホール 
評価:3

■ヒトコト感想
ライトヘビー級の王座であるホープが妻の死により転落し、そこから復活する物語だ。復活のきっかけは子供と一緒に暮らしたいから。ホープの奥さんが死んだのは不幸な事故でしかない。子供からホープのせいでお母さんが殺されたと言われるシーンは強烈だ。ちょっとしたことで怒るホープ。そのことも落ちぶれた原因のひとつだろう。

落ちぶれたホープは子供を養護施設に入れられ、定職をもたない限りは子供を取り戻すことができない。そこでホープが選んだのは、自分を一番苦しめたボクサーのトレーナーである男だった。トレーナーに厳しくしつけられホープは変わっていく。それまで攻撃重視で防御はほとんどしなかったホープが変わっていく。

■ストーリー
誰もが認める無敗の世界ライトヘビー級王者、ビリー・`ザ・グレート'・ホープは、ボクシングの聖地マディソン・スクエア・ガーデンで行われた試合で強烈な右で逆転KOを決め、脚光を浴びていた。彼の武器は怒りをエネルギーにする過激なスタイルだが、妻と娘の心配は絶えない。そして、その怒りが引き金となり、最愛の妻の死を招いてしまう。悲しみに暮れ自暴自棄な生活を送るビリーは、ボクシングにも力が入らず世界チャンピオンの称号を失い、信頼していた仲間、そして娘まで失ってしまう。

もはや何もない。明日の生活にさえ困るどん底の境遇の中、ビリーは第一線を退き古いジムを営むティックに救いの手を求める。彼は、無敗を誇った自分を唯一苦しめたボクサーを育てたトレーナーだった…。

■感想
圧倒的な攻撃力で挑戦者を退けてきたホープ。防御は後回しで、どれだけ攻撃されたとしても何倍にもして攻撃を返すことで勝利をつかんできた男。最愛の妻の元で、正しく制御されてきたホープは、勝利を続けることができたのだが…。

ホープの怒りの沸点の低さをきっかけとしてイザコザがおこり、そこでの銃撃戦で妻が殺されてしまう。不幸な事故であるのは確かだが、ホープが怒りっぽくなければ妻は死ななかったのだろう。ホープの悲しみはその後のホープの焦燥ぶりで明らかとなる。

妻を失ってからのホープは自暴自棄となり試合ができず、そして負けていく。そこからは、金がなくなり、しまいには家を奪われてしまう。そして最愛の娘を施設に入れられてしまう。このパターンでは子供としては施設に入った方が幸せのような気がするが…。

ホープの娘は、ホープの前で一緒に暮らしたいと泣きながら叫ぶ。ここまで子供に言われたとしても住む場所がなく無職のホープは何もできない。この状況が、その後のホープを変える原動力となる。

ホープは自分が復活するために必要なトレーナーとして、過去に自分を一番苦しめたボクサーのトレーナーを選ぶ。今はプロを教えることに拒否感を覚えるトレーナーだがホープの熱量により変わっていく。元世界ライトヘビー級のチャンピオンが田舎のボクシングジムのトイレ掃除をしながらトレーニングする。

厳しい状況に追いやられてなお、ホープは変わろうとする。トレーナーから防御の大切さを学び、今更ながら防御技術をいちから鍛え始める。そして、怒りっぽい性格も直していく。

ボクシングの復活物語としてはありきたりだが、強烈なインパクトがある。



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