2019.7.25 真実よりも無罪をえらぶ【砂上の法廷】
砂上の法廷[ キアヌ・リーヴス ]
評価:3
■ヒトコト感想
弁護士のラムゼイがある少年を弁護する。大物弁護士が殺害され、容疑者として17歳の息子が浮かび上がった。ラムゼイは黙秘し続ける息子をどのように弁護し裁判に勝つかを思案する。すべての証人が少年を有罪とする証拠を提示してくる。ラムゼイは真実よりも少年を無罪にすることだけを考える。
観衆は真実がどうなのかが気になってくる。母親が父親に虐待されていることを見て息子が逆上したのか。それとも、母親自身が夫を殺害したのか。17歳の少年は父親と同じように弁護士を目指していたので、裁判の知識がある。このことが、裁判に勝利するために大きな助けとなる。ラストで真実が明らかとなるのだが、そのオチだとは誰も考えつかなかった。
■ストーリー
巨額の資金を持つ大物弁護士が自宅で殺害された。容疑者として逮捕されたのは、17歳の息子。拘留後、完全黙秘を続ける少年の弁護を引き受けたのは、敏腕弁護士ラムゼイ。何も語ろうとしない被告人をよそに開廷された裁判では、全ての証人が少年の有罪を裏付ける証言をする。その証言のわずかなほころびから、「嘘」を見破るラムゼイ。
有罪確定に見えた裁判の流れが変わり始めた矢先、被告人が沈黙を破り、衝撃の告白をはじめる。彼が語る言葉は、果たして真実なのか?そして、事件の真犯人は別に存在するのかー?
■感想
大物弁護士殺害事件の容疑者である17歳の少年。息子が父親を殺害したというセンセーショナルな事件であるが、弁護士のラムゼイは息子を無罪にしようと奔走する。裁判が始まっても何も証言しようとしない息子。ラムゼイは不利な裁判の中で、どのようにして息子を無罪にするのか。
様々な策略を練りつつ、真実はどうあれ息子を無罪にするよう母親に懇願される。法廷モノとしての面白さに満ちている。真実はさておき、息子が有利になるような法廷展開を実行する。
ラムゼイは、妻が夫に虐待を受けていたという方向で裁判をすすめようとしていた。母親を助けるために息子が父親を殺害したとする…。ただ、陪審員たちは懐疑的であり、確実に勝てる方法ではない。
ラムゼイは真実よりも息子の無罪を目的とするために、息子への証言を強要する。母親が父親にないがしろにされたために、精神的に病み父親を刺殺した。それを息子が庇っているという流れとなる。今までまったく証言しなかった息子が、突如として証言し始める。自分が父親から性的虐待を受けていたという衝撃的な内容だ。
息子の衝撃的な証言により、裁判は大きく動き出す。陪審員たちの心証は大きく変化していく。そして、裁判の結果がでると…。物語はここで終わらない。息子はある真実を見つけ出す。大物弁護士を殺害したのは誰なのか。
息子は期せずしてその人物のために牢屋に入れられる危険を冒しながら母親を守ったということだ。最後のどんでん返しのパターンなのだが、結果は変わらない。ラムゼイが真実はどうあれ、裁判に勝つことだけを考えていた理由が明らかとなる。
判決がでるシーンはひりつくような緊迫感だ。
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