2018.5.24 多国籍な親戚一同 【最高の花婿】
最高の花婿 [ クリスチャン・クラヴィエ ]
評価:3
■ヒトコト感想
フランスで4人の姉妹に囲まれて幸せな生活を送ってきたヴェルヌイユ夫妻。3人の娘はアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚した。差別意識があるわけではないが、どうしてもフランス人との違いを認識してしまう。その結果、それぞれの国籍での気になる部分がよりクローズアップされてしまう。ヴェルヌイユ夫妻は、気まずくなりながらも、なんとか婿たちと仲良くしようとする。
そこで末っ子が新たに結婚すると言い出し、その相手が…。黒人ということでさらに騒動が起きる。フランス人の婿がほしかったのが、多国籍な状況となってしまい、妻の方はうつ病にまでなってしまう。この状況は強烈なインパクトがある。差別全開ではあるが、コメディにうまく転嫁できているのがよい。
■ストーリー
フランスのロワール地方に暮らすヴェルヌイユ夫妻には、他人には相談できない悩みがあった。3人の娘たちが次々とアラブ人、ユダヤ人、中国人と結婚、様々な宗教儀式から食事のルールまで、異文化への驚きと気遣いに疲れ果てていた。
そんな時、最後の希望だった末娘が、カトリック教徒の男性と婚約! しかし、大喜びの夫妻の前に現れたのはコートジボワール出身の黒人青年だった。しかも、フランス人嫌いの彼の父親が大反対。果たして、色とりどりの家族に愛と平和は訪れるのか──?
■感想
ヴェルヌイユ夫妻は、娘の婿が多国籍な状況となっていることに不安を覚える。文化の違いや宗教の違いがあり、イヤミの言い合いだったりする。アラブやユダヤや中国の特徴を、うまくユーモアとして展開している。そして、ガチガチの差別と感じさせないようなユーモアあふれる展開としている。
アラブ人、ユダヤ人、中国人のステレオタイプのキャラクターの中で、それぞれの特徴をとらえながらのキャラがよい。中国人が几帳面で約束の時間より早めに到着するというのは、もしかしたら日本人と勘違いしているのかもしれない。
末っ子の婚約者はコートジボアール出身の黒人だ。ただでさえ上の3人が多国籍な婿であり、唯一の希望であった末っ子まで黒人と婚約したと知り、ショックを受ける夫妻。コートジボアール側の家族たちも、フランス人に偏見をもっており、この結婚をご破算にしようとする。
末っ子の結婚式を迎える前のゴタゴタはかなり面白い。ただ、最後の最後では、お互いの両親が和解し最後にはうまくいく。強烈なインパクトはないのだが、文化の違いに対するユーモアは、一歩間違えると差別として糾弾される恐れがあるが、本作ではそのあたりをうまくやっている。
ヴェルヌイユ夫妻の苦悩はよくわかる。自分の娘たちが、立て続けに国際結婚を行うとなると、かなり強烈な状況だろう。国際結婚はただでさえハードルが高い。それが、4姉妹すべてが国際結婚となると、もはやカオスでしかない。孫もそれぞれでかなり違った雰囲気になるだろう。
親としては娘が選んだ相手にそこまで文句を言いたくないのがあるのだが、さすがに小言を言いたくなる。人間的には良いとしても、文化や宗教の違いはどうしようもない。こんな状況になったら親としても心配で仕方がない。
親戚一同が集まった際には、強烈なインパクトがある。
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