2021.4.23 ニキラウダとハントの強烈なライバル関係【ラッシュ/プライドと友情】
ラッシュ/プライドと友情 [ クリス・ヘムズワース ]
評価:3
■ヒトコト感想
実在のレーサーを描いた作品。ニキ・ラウダは名前だけは聞いたことがある。ジェームス・ハントは全く知らない。このハントとニキのふたりが年間チャンピオンを争い、マクラーレンとフェラーリで対決していたようだ。自分の中ではプロストとセナとかそのたぐいのイメージかもしれない。
衝撃的なのは、ニキが天気が荒れたレース当日に、レースを中止すべきだと進言した場面だ。多数決でしぶしぶレースに参加したところ、そこで事故をおこし大やけどを負うニキ。顔面がやけどの治療痕でグロテスクになった状態ですぐにレースに復帰する。このニキとの執念と、ニキのレースにかける思いを感じ、まっすぐ受け止めて対決するハントの関係性は最高だ。
■ストーリー
1976年、F1黄金時代。世界を熱狂させた二人のレーサーがいた。ドライビングテクニックも私生活も情熱型のジェームス・ハント(クリス・ヘムズワース)と、レース運びも人生も頭脳派のニキ・ラウダ(ダニエル・ブリュール)だ。シーズンは、ラウダの圧倒的なリードで幕を開けた。ジリジリと迫るハントを制し、ラウダのチャンピオンが確実視されたその時、すべてが変わった。
壮絶なクラッシュ。ラウダは瀕死の重傷により再起は絶望的だった。事故の一因は自分だ、との自責の念を払いのけるかのように、残りのレースに全霊をかけたハントがチャンピオンの座に手をかけた時、ラウダが再びサーキットに戻ってきた。事故からたった42日後、変わり果てた姿で。ポイント差僅か、最終決戦の地、富士スピードウェイで、ライバルを超えた絆を胸に、限界の先へとアクセルを踏み込む。
■感想
序盤ではニキとハント、それぞれのエピソードが語られている。ニキはレーサーとしてだけでなく、メカニックとしての才能もあり、マシンを見てどこを改善すべきかをすぐさま判断する能力があった。ハントはチャラい性格で女遊びもし放題だが、レースでは勝ち続ける。
そんなふたりがそれぞれの手段でF1に挑戦することになる。序盤では、ニキはハントに批判的で、ハントもネズミのように出っ歯なニキをバカにしたりもする。この段階では、仲の悪いレーサーというだけでしかない。
ニキが先に年間チャンピオンを獲得する。ニキは冷静沈着でハントの挑発にのることはない。そして、レースのリスクもしっかりと理解している。対してハントは出たとこ勝負の部分があるが、調子にのると勝ち始める。いつのまにか、ハントはマクラーレンに移籍し、ニキはフェラーリへと移籍し対決する。
ニキの巧みな交渉術でフェラーリでも自分の思い通りに周りを動かしている。ハントは結婚と離婚を経験し、それでも人生を楽しむためにレースを続けているような感じだ。
それまで仲の悪かったふたりは、ニキが事故を起こしてから復帰すると、ふたりは親友関係になる。特にニキが復帰会見で失礼な記者に嫌な質問をされたシーンでは、記者会見後にハントがその記者をボコボコにしたりもする。
ニキの顔面を見て一瞬フリーズするハントだが、火傷痕はレースには関係ないということで全力で対決する。すべては事実にもとづいているのだろう。こんな熱いライバル関係のふたりがいたことは知らなかった。
あっさりと二年後に引退するのもハントらしい。
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