ラン・スルー・ザ・ナイト


 2018.9.29      鑑定士ぐるみの贋作 【ラン・スルー・ザ・ナイト】

                     
ラン・スルー・ザ・ナイト [ アンナ・チポフスカヤ ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
美女フリーカメラマンのサーシャは、目の前で、恋人で若手画家のアンドレイを殺されてしまう。なぜアンドレイが殺されたのか。サーシャが調査する過程で、謎の組織に追われることになる。基本はサーシャがアンドレイが殺された事件の謎を解くたぐいの物語だ。アンドレイだけでなく、アンドレイの仲間も次々と何者かに殺されていく。

サーシャは普通の女のはずが、いつのまにか凄腕諜報員なみのドライビングテクニックで追っ手から逃げたりもする。有名な絵画を欲する者がいるが、絵は何枚もあるわけではない。欲する者がいれば、提供する者はどうにかして用意する。その結果、みながハッピーになれるはずだったのだが、少しのほころびですべてが崩壊する危険を含んでいる。

■ストーリー
サーシャは美貌のフリーカメラマン。ある夜、恋人の若手画家アンドレイを何者かに殺され、身に覚えのない殺人容疑で指名手配されてしまう。犯人を目撃していたサーシャは、殺し屋に追われ、必死の逃亡を続ける。謎を解く唯一の鍵は、アンドレイからの最後のメールに添付されていた絵画の写真だった…。

■感想
サーシャは恋人のアンドレイの死を目撃してしまう。犯人を見たということで追われるサーシャだが、謎の組織からも追われることに…。サーシャはわけが分からない状態のまま追われ続ける。アンドレイが残した絵を組み合わせていくと、なぜかQRコードとなり、そこから謎のWEBサイトにアクセスすると…。

様々な趣向を凝らしてはいるが、イマイチ新しさはない。画家が殺されたということで、絵に秘密があることは間違いないのだが、そこに至るまでのミステリーはそこまでインパクトはない。

有名な絵画を欲しい者がいれば、それを生み出す者もいる。アンドレイが実は絵画の修復と偽りながら贋作を作成していたと知るサーシャ。そこから贋作を生み出す者、名画を欲しがる者、そして、贋作を本物と鑑定する者

それらが全てそろうことでなんの問題もなく物事はすすむはずだったのだが…。どこかひとつのズレにより、そのスキームは崩壊し、贋作を生み出しつづけたチームは殺されることになる。危ない仕事であればあるほど、リスクが高いのは承知のことだろう。

ことの発端は、クレムリンが贋作を米国政府への贈り物として贈呈したことにある。もし、ロシアがアメリカに送った絵画が偽物とわかると、大きな問題となる。鑑定士まで巻き込んでしまえば、すべてを制御できるのは間違いない。

それはどの業界でもいえることなのだろう。もしかしたら、この世の中には、素人ではわからないが巧みな偽物が本物として世に出回っている可能性がある。そして、そのことを一般市民が知ることは絶対にないのだろう。

映画としてはミステリアスな魅力はあまりない。



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