路上のソリスト


 2018.7.20      ホームレス音楽家 【路上のソリスト】

                     
DVD▼路上のソリスト
評価:2.5

■ヒトコト感想
実話をもとにした作品。新聞社のコラムニストが路上で生活する音楽家をサポートするお話。公園で生活する黒人の音楽家の演奏を聴いて、その才能に衝撃をうける記者のスティーブ。なんとかホームレスの音楽家のナサニエルを世に出そうとうる。まず、ナサニエルの生い立ちは衝撃的だ。幼いころから英才教育を受け、ジュリアード音楽院にまでいった男。

それが精神に異常をきたし、ナサニエルはホームレスとなる。ナサニエルを更生させるためにロペスは様々な活動をする。ナサニエルがどのようにしてドロップアウトしたのかや、ロペスとナサニエルの関係は非常に興味深い。これが実話ということにも衝撃をうけるのだが、ホームレスから復活するまでが描かれている。

■ストーリー
自暴自棄になっていた記者・スティーブは、公園でひとりのホームレスと出会う。奏で続ければ、いつかきっと誰かに届く-。LAタイムズのコラムニストが追った実在の音楽家の物語。

■感想
新聞社のコラムリストがホームレスの音楽家と出会い、音楽家を更生させようとする物語だ。ホームレスのナサニエルは、幼いころに音楽の英才教育を受け音楽家として華々しい未来を想定していた。それが、ジュリアード音楽院で精神に異常をきたし、そこからナサニエルの人生はくるっていく。

ナサニエル役のジェイミーフォックスの演技がすばらしい。身なりがボロボロで時々おかしな言動を繰り返す。周りから見ても近寄りがたい存在となる。ナサニエルのすさまじさが物語のポイントだろう。

ロペスはコラムニストとしてナサニエルを取り上げる。そのことにより、一躍有名になるナサニエル。そしてナサニエルに引っ張らるようにロペスも知名度を上げていく。ただ、ナサニエルの不安定な状況というのは、ロペスの手には負えなくなっている。

そのため、ナサニエルを手なずけようと施設に入れようとしたり、病院へ連れて行こうとしたりと試行錯誤している。その結果として、ナサニエルはどうなったのか。路上にすばらしい演奏をする音楽家がいる。ただ、気まぐれでいつ演奏してくれるかわからない。そんな状況だ。

ロペスとナサニエルの友情のようなものも感じる展開だ。ナサニエルは最初は楽器をくれたロペスを神様のように慕う。そこから自分を病院へ入れようとすることへの反発や、ホームレスから更生させようとする行動が、ナサニエルは気に食わない。

そして…。ロペスが本当にナサニエルのことを考えて行動したのか。もしかしたら裏では自分がコラムに取り上げた人物が埋もれてしまうことを危惧しての行動かもしれない。ロペスとナサニエルの友情というのは、最後にはしっかりとお互いに認識されているのがよいのかもしれない。

本作が実話ということに驚いた。



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