レザボア・ドッグス


 2019.1.24      タランティーノの出世作 【レザボア・ドッグス】
                     
レザボア・ドッグス
評価:2

■ヒトコト感想
タランティーノの出世作。今見ると特別な印象はないが、当時としては新しかったのだろう。素性を知らない6人の男たちが、宝石店を襲おうと計画を立てる。次のシーンでは腹から血を流した男と、車を運転して必死にアジトに戻ろうとする男がいる。いったい何が起きたのか。観衆はその過程がわからないまま、男たちの会話から何かトラブルが起きたとわかる。

そこから、次々と仲間がアジトに戻ってくる。そこで会話にでてくる断片的な情報から、しだいに事件の全容がみえてくる。結局のところ6人の中に警察の犬がいるという話となる。その犬は誰なのか。疑心暗鬼のまま、それぞれの男を中心とした物語としての面白さがあるのは確かだ。

■ストーリー
鬼才クエンティン・タランティーノ監督の、記念すべきデビュー作である。当時弱冠28歳でレンタルビデオ屋の店員だった彼が、自ら書いた脚本を売り、わずか3万ドルの低予算で監督、脚本した。なお、この脚本はのちに『トゥルー・ロマンス』として映画化された。

宝石強奪のために集められた、互いの素性は知らない6人の男たち。彼らは計画どうり宝石店を襲撃するが、逆に包囲していた警官隊の猛攻撃を受ける。彼らの中に警察の「犬」が紛れていたのだ。 この若き天才監督が撮った傑作バイオレンスは、脚本に惚れこんだハーベイ・カイテルの資金援助と出演というバックアップを得て制作された。

カンヌ映画祭では「心臓の弱い方はご遠慮下さい」という警告つきで上映されたほど、世界の映画界に大きな衝撃を与えた。タランティーノの神話は、この1作から始まったのだ。

■感想
お互い素性を知らない6人の男たちが宝石店を襲おうとひそかに打ち合わせをする。男たちはサングラスに黒いスーツ姿だ。この6人が宝石店を襲うのだが…。次の場面では血みどろの男が車に乗って移動している。何が起こったのか。

男たちの会話で何かアクシデントが起きたことは想像できる。次々と新たな人物たちが同乗してくる。お互いを色で呼び合う仲で、この中で警察と内通しているものがいるということになる。誰が警察の犬なのか。男たちの必死具合と、徐々に明らかとなる状況の変化が面白い。

ある男が戻ってくると、トランクに警官を入れていたりもする。その警官を拷問して警察の犬をあぶりだそうとする。腹を銃で撃たれて瀕死の男。すぐに銃をぶっ放す男。その他、ボスの息子や、無傷だがおろおろするだけの男など、多種多様の男たちがアジトに集まってくる。

かと思うと、あっさりと銃で撃たれて殺されたりもする。血みどろの中で、どのような結末となるのか。終盤では、警察の犬が誰なのかというのが判明し、その先にはなぜ男が腹に銃弾を受けたのかもはっきりとする。

時間を逆行するような流れとなっている。それぞれのキャラクターにフォーカスしたこの手の流れというのは当時としては新しいのだろう。それが、今の段階だと特別に目新しさはない。強烈なインパクトはないのだが、タランティーノらしく激しい銃撃戦や血みどろの争いがあるのは昔からだったのだろう。

今のタランティーノ作品とそれほど変わらないが、荒々しさがあるのは間違いない。ここから作品として余計な部分が排除されスリム化され一般受けするような作品となっていくのだろう。

タランティーノ作品の原点がここにある。



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