レイジング・ドッグス


 2019.6.2      ラストで全てつじつまが合う【レイジング・ドッグス】

                     
レイジング・ドッグス [ ランベール・ウィルソン ]
評価:3

■ヒトコト感想
単純な銀行強盗だったはずが、人質を伴いながらの逃走劇となる。犯人グループの面々はそんなはずではなかった、という思いが強いのだろう。リーダーの男が射殺され、若い女を人質にとり逃走する。その道中では、車を変えるために娘の手術に向かう男の車をのっとる。

3人の犯人グループと人質の女と男と、小さい娘。この奇妙な6人での逃走劇の中では、いつくか人質たちが逃げ出すチャンスがある。そのたびに父親が娘の命を何よりも大事に考え、女の暴走を抑えようとする。このあたりの伏線が最後に利いてくる。娘に対して定期的に注射を打つのも、薬だということだが、その理由も最後に語られることになる。ラストの展開が結構驚きだ。

■ストーリー
ある日の夕方、4人の武装強盗団が巨大銀行を襲撃する。しかし逃走に失敗し警官たちに追われる中、リーダーの男が射殺されてしまう。残された3人は慌てて近くに居た若い女性を人質に取り、更には通りかかった車を乗っ取り逃走を命じる。

車を運転していた男は、座席で眠り込む幼い娘に緊急手術を受けさせなければならないので、何とか解放して欲しいと頼み込むが、強盗たちは耳を貸さない。かくして6人を乗せた車は、強盗団の隠れ家を目指して悪夢のようなドライブを開始する。いつ警察に追いつかれるかもしれない極限の緊張感、そしてうだるような暑さの中、徐々に正気を失っていく面々。隙を見て逃げ出そうとする人質たちに、強奪した現金を独り占めしようと画策する悪党たち。一触即発の逃走劇の果てに待ち受ける衝撃の結末とは! ?

■感想
4人の武装集団が銀行を襲い逃走途中で人質をとる。車の中には複数の人質がいる状態で逃走を続ける。犯人たちは人質をとって逃亡したことに少し後悔しつつも、ただ逃げるしかない。邪魔が入れば容赦なく殺害するつもりもある。まさに傍若無人な男たちだ。

リーダーが射殺されたことで、制御がきかなくなっているともいえる状況だ。警察が検問をしたとしても、急病の娘を病院へ連れていくために急いでいると芝居をして切り抜けようとする。ただ、怪しまれた瞬間に相手を射殺してしまう。

ガソリンスタンドでは、店主と軽口をたたきながらも、テレビで自分たちのニュースが流れ、それが店主に知れると…。あっさりと店主を射殺してしまう。男は娘の命をなにより優先で考える。女は自分が逃げることだけを考える。

犯人たちはどうにか無事逃げおおせることだけを考えている。三者三様の状態で、謎の祭りが行われている町に到着する。ここがまさに奇祭というか動物の毛を頭にかぶり武器を携帯した男たちが騒ぎまくっている。ここではさすがの犯人たちもおとなしくなるのだが…。

ラストの展開はすばらしい。結局のところ仲間割れのような形で次々と人が死んでいく。そして、最後に残ったのは…。この展開は想像しなかった。娘を病院に連れていくためにひたすら犯人たちの言いなりになっていた男。実はそれには理由があった。

娘の薬だと注射し続けていたことについても、しっかりとした理由があった。この展開というのは想像できなかった。それなりにインパクトがあるのは間違いない。すべての辻褄が最後の最後にしっかり合うというのは強烈なインパクトがある。

このラストの展開がなければ、平凡な作品だっただろう。



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