レッドタートル ある島の物語


 2018.4.3      外国アニメらしい作風 【レッドタートル ある島の物語】

                     
レッドタートル ある島の物語 [ マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット ]
評価:2

■ヒトコト感想
ジブリがこんな作品を作っていたとは知らなかった。オランダ人監督が作った作品。あきらかにジブリっぽくない。短編アニメとして評価された監督が、満を持してジブリと組み長編アニメを作る。内容がまさに短編アニメ向きだ。とても日本で一般ウケするようには思えない。無人島にたどりついた男が、亀が変身した女とその子供と共に生活する物語だ。

会話らしい会話はない。動きとジェスチャーとちょっとした声で意思の疎通をはかり生活する。無人島でののんびりとした生活の中で津波が襲ってくる。無人島で生活する男の生活をただ見せられているだけ。オチも特別なものはないので、メリハリがない。外国アニメらしいといえばらしい。

■ストーリー
どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?嵐の中、 荒れ狂う海に放りだされた男が九死に一生を得て、ある無人島にたどり着いた。必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、一人の女が現れた――。

■感想
ジブリの新作と言われると、どうしてもエンターテイメントにあふれた作品を想像してしまう。本作はオランダ人監督が好きなように作った作品を、ジブリとしては文句も言わずに受け入れたのだろう。とてもヒットするような作品とは思えない。

興行収入がどの程度だったのか不明だ。マスコミに話題になっていないことを考えると、一般ウケもしなかったのだろう。今までのジブリにはない独特な絵柄ではある。ただ、海外の監督のアニメ作品だとよく見るタイプの作品であることは間違いない。

嵐に巻き込まれ、たどり着いた先の無人島で四苦八苦する男。食べ物や水があったとしても、孤独には耐えきれず島を脱出しようとする。序盤では島を脱出しようとする男が、筏を作るとすぐに海亀に邪魔をされてしまうという流れがある。

海亀にボロボロに壊された筏。男は怒り、ついには海亀を殺してしまうのだが…。日本に昔ながらに存在する昔話をほうふつとさせる流れだ。海亀は美しい女に姿を変え、男と共に無人島で生活し、ついには子供まで生まれてしまう。

男たち家族の無人島生活は続く。そして、終わりを迎えるのは巨大な津波によってだ。結局のところよくわからないまま終わっている。男が共に生活してきたのは間違いなく海亀だったのだろう。ただ、それだけでなんの教訓や感動もない。

短編アニメでは過不足なく鑑賞に堪えうる内容だ。それをそのまま引き伸ばし長編アニメにされても辛いだけだ。特に日本では、ジブリ作品というだけでかなりハードルが上がるのだが、その状態で本作を見せられても、頭の中には??が充満してしまう。

30分程度の短編であればまったく問題ないだろう。



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