2021.4.26 現職の大統領を巻き込んだスキャンダル【ペリカン文書】
ペリカン文書 [ ジュリア・ロバーツ ]
評価:3.5
■ヒトコト感想
二人の最高裁判事が暗殺された事件について法学生のダービーが仮説を立てる。ダービーの仮説が仮説ではなく、実は確信をついていた。その文書は「ペリカン文書」とよばれ、関係者が次々と暗殺されていく。記者のグレイに助けられ、告発することを決意するダービー。次々とダービーの周りのペリカン文書がらみの者たちが殺されていく。
この得体の知れない巨大な権力の動きには恐ろしさを感じてしまう。現職の大統領が絡むスキャンダルで、FBIやCIAすらも絡んでくる。ただの女子大生であるダービーと記者のグレイが真実に近づいていく。ラストの、グレイが関係者に記事がでると連絡する場面は強烈だ。相手は絶句するばかり。巨大権力に対しての対決姿勢が明確なだけにハラハラドキドキ感がすばらしい。
■ストーリー
一夜にして二人の最高裁判事が暗殺された。世間を騒がせたこの事件に、自分なりの仮説を立てて論文にまとめる法学生ダービー。事件の核心を突いたこの文書はやがて「ペリカン文書」と名を変え、瞬く間にホワイトハウスを震撼させる大きな爆弾となっていった。そして、自分自身が何者かに狙われていることを確信した彼女は、敏腕記者グレイにすべてを賭ける決心をしたのだった。ジョン・グリシャム(「ザ・ファーム/法律事務所」「依頼人」)の小説を、政治的サスペンスに冴えを見せる名匠アラン・J・パクラが映画化。
■感想
世間で話題の事件を何の気なしに仮説を立てて講師に見せたダービー。恋人であり講師である人物にペリカン文書を見せ、それがFBIの弁護士にまで渡る。ここから、関係者が次々と暗殺されていく。ダービーが立てた仮設が正しいということに気づいたのだが、ダービーは恐怖で身を隠すことしかできない。
巨大な権力者に不都合が生じると、権力者が命令しなくとも周りが忖度して行動し始める。ダービーの恐怖感はすさまじいものがあるのだろう。その後は細心の注意をはらって関係者と会おうとするのだが、それすらも盗聴されてしまう。
ダービーを助けるのは気概のある記者のグレイだ。権力に負けないのは当然として、グレイがすぐれた記者だと有名なため、各所からタレコミの情報が入り込む。ダービーとは別に事件の真相に気づいた弁護士が最後に残した文章とビデオテープ。それをグレイとダービーが手に入れたことで、ペリカン文章が正しかったと判明する。
ダービーが極限にまで危険にさらされながらも、グレイと会い、ふたりで事実を解明しようとする。迫りくる暗殺犯たちとの攻防はハラハラドキドキしてくる。
ラストの場面は衝撃的だ。グレイがスクープをまとめ、明日にでも一面に出ると言う時、関係者に電話で連絡する。記事に対するコメントを得るためなのだが、相手は強がりを言い、明らかに老獪している。
それまで余裕しゃくしゃくで、指示を出していた男たちが崩壊していく。現職の大統領を巻き込んだスキャンダルは、グレイの協力により明らかとなる。エピローグとして、ダービーが本当は存在しないのではないかとグレイがインタビューされるくだりは最高だ。
ハラハラドキドキ感はすさまじい。
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