パーフェクト・レボリューション


 2019.7.4      障碍者の性を主張されると、引いてしまう【パーフェクト・レボリューション】

                     
パーフェクト・レボリューション [ リリー・フランキー ]
評価:3

■ヒトコト感想
身体障害者の性について描いた作品。幼少期の脳性麻痺により車椅子生活を強いられたクマ。身体障害者として自分の性の話などを赤裸々にし書籍まで出版したクマは講演会なども開く。そして、クマの講演会を見たミツはクマに一目ぼれしてしまう。ミツは明らかにヤバイ女だ。若くてかわいいのだが考え方や行動がエキセントリックすぎる。

最初は嫌がっていたクマだが、いつのまにかミツに惹かれていくことになる。しかし、些細なトラブルからミツが精神に障害を抱えていると知る。障害者として世間から色眼鏡で見られることについて描かれている。当たり前に障害者はみな天使のようだと勝手に思い込み、セックスもしない純真無垢な子供のような存在と世間は思い込んでいる。

■ストーリー
クマは幼少期に脳性麻痺を患い、手足を思うように動かせず車椅子生活をしている。ただし彼はセックスが大好き。身体障害者にとっての性への理解を訴えるために活動している。そんな彼が、ある日、美少女・ミツと出会う。障害者であるにもかかわらず生き生きと生きているクマに、ミツは「あなたとわたしみたいなのが幸せになれたら、それってすごいことだと思わない?」「それを世界に証明するの! 」。どんな不可能も可能にする、ハチャメチャだけど純粋な、クマとミツの“最強のふたり"のラブストーリーがいま始まる!

■感想
身体障害者のクマと精神障害者のミツの恋愛物語。クマは障害者の性について赤裸々に語り、本を出版したりとちょっとした有名人となる。そんなクマの正直な物言いに惹かれたミツは、押しかけて無理やり恋人になる。最初はミツを警戒していたクマが、いつのまにかミツにぞっこんとなる。

ミツは紫色の髪の毛に派手な格好をした風俗嬢だ。二人の関係を知り、境遇を知ると周りは色眼鏡で見る。特にクマの親類関係はふたりが結婚したいというと、すぐさま反対する。

クマと結婚しても子供は生むべきではないという親類。その理由は、また同じような傷害者が生まれることを危惧してのことらしい。とんでもない話だ。それとは別にクマは幼少期に股関節に放射線を当てる治療をしたため、子供を作ると障害を持つ子供が生まれる可能性が高いとのこと。

周りに温かい対応を求めるのは酷だろう。特に親類ともなると、いざという時に面倒をかける可能性があるのは間違いない。親類以外にも、クマを密着取材したディレクターの、障害者として同情を誘うような絵を撮りたがるのが、まざまざと伝わってきた。

障害者だというだけで幸せに結婚することは難しいのだろうか。周りの偏見があるのは間違いないのだが、無難な考え方をすると、避けた方が良いという結論になるのはしょうがない。あえていばらの道を行くのか。障害者のことを天使のようだと勝手にラベリングするのは間違っている。

あからさまに性生活を全面に出されると、ちょっと引いてしまうのもわかる。同じ人間なので、セックスもすれば性欲もある。それをわかっているのだが、どこかタブー視していたのは間違いない。

障害者の性をそのまま主張されると、やはりちょっと引いてしまう。



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