2018.12.10 金に目がくらんだ夫婦 【パーフェクト・プラン】
パーフェクト・プラン /ジェームズ・フランコ
評価:2.5
■ヒトコト感想
安アパートの下の階に下宿する男が、謎の大金を残して死亡した。上階に住むトムとアナの夫妻は、男の部屋に大金があることを知り、躊躇しながらも生活を立て直すためにその金を手にいれようとする。これが間違いの始まりだ。警察からはにらまれ、怪しげな組織からは目をつけられ、危ないチンピラには脅迫される。
自分たちの生活が崖っぷちにきているからといって、手をだしてよい金ではなかった。マフィアに追い込まれ、麻薬密売組織には狙われる。ラストは祖母から受け継いだ屋敷を改造し、マフィアやチンピラたちを迎え撃とうと画策する。警察の力を借りることができないという八方ふさがりの状態から、どのようにして抜け出すのかがポイントだろう。
■ストーリー
それは、完全なる計画のはじまりだった。ロンドン郊外の安アパートに住む請負労働者トムと小学校教師のアナの夫妻。シカゴから再起を誓い移住して来たふたりは祖母から相続した屋敷を改築し子供を持ち幸せに暮らすという夢を抱いていた。ある日、トムの元にひとつの通知が届く。“退去勧告"。政府による金融引き締め政策と外国人労働者への取り締まり強化により、ふたりは経済的に追い込まれていた。
途方に暮れる中、思わぬ事態が訪れる。階下の住人が3,500万円という大金を残して死んでいるのを発見したのだ。持ち主不明の3,500万円。近づく、退去期限。そして、ふたりは遂に金に手を出してしまう。つつましやかな夢を叶えるために。しかし、それは絶対に手を出してはいけない金=黒金(くろがね)だった。金を巡り、マフィア、麻薬密売組織、そしてある事件の復讐を誓う刑事がふたりに迫る。
■感想
祖母からの屋敷を改築し、幸せな家庭を築こうとした矢先、様々な問題によりトムとミアは生活が立ち行かなくなる危機に直面する。そんな時に、階下の住人が大金を残して死んでいた。誰も気づかれず誰も取りにこない謎の現金。
そのままネコババしてしまえと考えるのは、窮地に立たされた者としては当然のことかもしれない。誰も気にしていない金ならば知らないふりをして使ってしまえ、という気持ちだろう。その結果、とんでもない災難がまっていた…。その金はマフィアや麻薬密売人が探し続けた金だった。
ひとりの刑事がトムとミアの行動を怪しみその口座を監視する。結果として刑事にだけはことを打ち明けるのだが…。マフィアとつながりのある警察組織に助けを求めることができない。マフィアとチンピラ両方から狙われる立場となったトムとミア。
まさに八方ふさがりの状態だ。金をどこにやったと脅され、ついには人質をとられ観念することに。ただ、ここでもまだトムたちは抵抗しようとする。祖母の屋敷に様々な仕掛けを作り、マフィアとチンピラに対抗しようとする。
ラストは改装途中の屋敷での激しい戦いだ。トムたちには大工道具しか武器がない。相手は銃をもっている。地の利を生かしチンピラを床下に落下させたり、床下から敵の足に釘を打ち込んでみたり。まさになんでもありな状況が続く。
とうてい勝ち目のない戦いかと思われたが、その先には偶然の要素があるにせよ、トムたちは無事生還している。マフィアと麻薬密売組織を相手にして、ただの夫婦が大立ち回りを演じる。その結果、ハッピーエンドとはいかないが生き残るというありえない展開となっている。
目の前に大金があるからといって、手をだすと痛い目を見るという典型的なパターンだ。
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