ピースメーカー


 2020.10.25      強烈に実利主義な大佐【ピースメーカー】

                     
ピースメーカー [ ジョージ・クルーニー ]
評価:3

■ヒトコト感想
冒頭から列車での激しい核弾頭の強奪からスタートする。核物理学者のケリーが政府の対策チームのトップとなり核弾頭について調査する。ここでケリーの説に真っ向から対立し、独自の説を唱えるのが軍の大佐であるデヴォーだ。このデヴォーは核弾頭が盗まれることにどのような影響があるかを理解し、テロ組織を突き止めるためには手段をえらばない。

まっとうな方法で情報を得ようとしたケリーとは対照的。デヴォーは脅しや暴力で情報を手に入れ、逆に敵組織から激しく攻撃されたりもする。物理学者のケリーからしたらとんでもない状況となっている。ラストではテロ組織の目的を知ったケリーとデヴォーが、テロ犯の復讐を止めるために激しい銃撃戦をくりひろげる。

■ストーリー
ジョージ・クルーニー、ニコール・キッドマン共演によるアクションサスペンス。核兵器密輸対策チームの核物理学者・ケリーと国防省の特殊情報部大佐・デヴォーが、10発の核弾頭を盗んだ犯人を追って世界各国を駆け巡る。

■感想
政府の核兵器密輸対策チームのトップに抜擢されたケリー。張り切り、自分の力で行方不明の核弾頭を探し出そうとするのだが、テロ組織の実情や実戦を知らないため、随所に甘い考えが見え隠れしている。ケリーはひたすら正攻法で情報を入手しようとするのだが…。

ケリーは事態の深刻さを知り、デヴォーに頼ることになる。デヴォーはただものではない雰囲気をだしている。実利主義というか、上層部の建前をすべて吹き飛ばし実害があることであれば、何がなんでも行動して防いでしまう、すばらしい行動力が印象的だ。

ケリーとデヴォーは核弾頭がどこにいったかを探す過程で、情報をもつであろう人物に接触する。相手は紳士的な対応をしてくるため、ケリーは話し合いで情報を入手しようとするのだが…。次の瞬間にはデヴォーは相手の顔面をつかみタンスにぶつけ相手の鼻を折る。

そのまま動けないようにロープで縛り、ケリーにパソコンを操作するように指示する。そして、パスワードを拳銃でおどしながら強引に入手し、核弾頭を持ち込みそうな人物のリストを入手することに成功する。この目的のためには手段を選ばない対応が良い。

ラストは復讐の鬼となったテロリストとの対決となっている。核弾頭を手に入れたテロ犯は、街中で爆弾を爆発させようとする。ケリーとデヴォーは激しい銃撃戦の中で、爆弾を見つけ出すのだが…。ここからはお決まりの展開となる。本作では必ずしもケリーたちが正義という描かれ方はしていない。

テロ犯側にも、そうなった理由が語られている。家族を殺された恨みをはらすために、命をかけて復讐に挑むテロ犯。ここまで腹をくくった相手との対決となると、デヴォーのような人物しか対応できないだろう。

ロシアとアメリカの冷戦を思い起こさせるのは時代を感じる流れだ。



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