パッセンジャー


 2020.6.13      宇宙船の中でひとりっきりで生活する孤独感【パッセンジャー】

                     
パッセンジャー [ ジェニファー・ローレンス ]
評価:3

■ヒトコト感想
冬眠装置で120年の宇宙の旅を乗り切るはずが、アクシデントでひとりだけ目を覚ましてしまったジム。その状況に気づいたジムの絶望感はすさまじい。目的地までは80年以上の時間がかかり、再度の冬眠もできない。衣食住は宇宙船の中で賄えるが、ひとりきりで死ぬまで宇宙船内で過ごさなければならない。地球への連絡も往復で数十年かかる。そんな状態のジムが次に起こす行動は…。

もうひとり冬眠から目覚めさせることだった。非常に強烈な作品だ。ジムは美女のオーロラを目覚めさせるのだが…。ふたりは親密になるのだが、ジムのしたことがオーロラにバレる。何不自由ない生活だとしても、ひとりきりであれば人間は孤独に耐えられないのだろう。

■ストーリー
20XX年、新たなる居住地を目指し、5,000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号が地球を後にした。目的地の惑星到着まで120年。冬眠装置で眠る乗客の中でなぜか2人の男女だけが90年も早く目覚めてしまう。地球では出会うはずもなかった、エンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)はまるで孤島のような宇宙船の中で激しい恋に落ちる。絶望的状況の中でお互いを求め合い、愛し合い、なんとか生きる術を見つけようとするが、予期せぬ出来事が2人の運命を狂わせていく・・・。

■感想
ジムは自分がなんらかの不具合で目覚めさせられたことに絶望する。この宇宙船がすべてを完備しており、ちょっとした問題ならばすべて独自で解決してしまう。隕石が衝突したとしても瞬時に修理してしまう。宇宙船内には高級レストランもありバーもある。

バーではロボットが接客しており、5000人が4カ月間生活できるだけの用意がされている。船内は1キロの大きさがあるのでジョギングもできる。プールも完備されており運動不足になることはない。気分転換に宇宙遊泳を楽しむこともできる。それだけに孤独感は強い。

孤独なジムが1年を過ごしたあと出した結論は…。冬眠している者をひとり蘇らせることだった。美女のオーロラはジムの策略により目を覚ますが、ジムにより目覚めさせられたことを知らない。ふたりっきりでの宇宙船内での生活で親密になるふたり。そして付き合うのだが…。

オーロラに、ジムが目覚めさせたことがバレてしまう。複雑な人間関係。そこにアクシデントで宇宙船のクルーが目を覚ます。3人の関係は微妙だが、クルーが事態の収集に動く。そして、クルーは病に倒れ死ぬ。

希望のない宇宙船生活だが、宇宙船自体にアクシデントが発生する。5000人の人々を助けるためにジムは命をかけて宇宙船を修復しようとする。高度に自動化された宇宙船だが、どうしても人の手が入らなければ修復できない個所がある。

自分を犠牲にしてオーロラをもう一度冬眠させる方法を発見するジム。冬眠で長い間眠ることを前提とした長期の宇宙の移動。万が一何かアクシデントが起こるとどうしようもない状態となる。未来では起こりえることのように思えてしまう。

ひとりだけ目を覚ました時の絶望感はすさまじい。



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