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　2021.3.11 　　 　　序盤の鮮やかな計画とラストの惨劇【パラサイト　半地下の家族】

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パラサイト 半地下の家族 [ ソン・ガンホ ]
評価：3.5

■ヒトコト感想
これが韓国の実状を表していいるのだろうか。。ひとつの家族は仕事がなく貧困にあえいでいる。ひょんなことから社長の娘の家庭教師を息子のギウが担当する。そこからギウは姉のギジョンを子供の美術教師として推薦し、父親を運転手、母親を家政婦として社長宅に入り込ませている。仕事を得ることが大変な状況で、4人とも仕事にありつけたことを幸運と考える。

まず序盤はこの鮮やかな計画と実行のすばらしさに衝撃を受ける。正体を隠したまま社長宅で仕事をする。どこかでボロがでるのでは？とドキドキしながら見ていたのだが…。ラストは想像を絶する流れとなる。社長宅の地下に元家政婦の旦那が住んでいたりと、混沌とした流れを最後に断ち切る衝撃的な結末だ。

■ストーリー
全員失業中の一家が目指す、高台の豪邸。最高の就職(パラサイト)先には、誰も知らない秘密があった――。仕事も計画性もないが楽天的な父キム・ギテク。そんな甲斐性なしの夫に強くあたる母チュンスク。大学受験に落ち続ける息子ギウ。美大を目指すが予備校に通うお金もない娘ギジョン。しがない内職で日々を繋ぐ彼らは、“半地下住宅"で暮らす貧しい4人家族だ。「僕の代わりに家庭教師をしないか?」ギウはある時、エリート大学生の友人からアルバイトを頼まれる。

そして向かった先は、IT企業の社長パク・ドンイク一家が暮らす高台の大豪邸だった。パク一家の心を掴んだギウは、続いて妹のギジョンを家庭教師として紹介する。更に、妹のギジョンはある仕掛けをしていき…。“半地下"で暮らすキム一家と、“高台の豪邸"で暮らすパク一家。相反する2つの家族が交差した先に、想像を遥かに超える衝撃の光景が広がっていく――。

■感想
半地下で暮らすキム一家。これが韓国の実状ということなのだが、半地下で生活し日々の食べる物にも苦労するのが大多数なのだろうか。警備員の仕事に対して大卒者が500人も殺到するだとか。内職をしながら小金を稼ぎつつ、大金を手に入れることを考える。

偶然ギウが社長の娘の家庭教師となったことで、家族が次々と社長宅での仕事を手に入れることになる。基本はそれぞれの能力は高いのだろう。たとえ出自を偽っていたとしても、その後、家族が満足する成果をだせているので、実力はあるということだ。

社長宅で高い給料を得て働く。まさに幸運を手に入れたキム一家。それを手に入れるためにはあくどい手法を使い、もともと働いていた者を追い落とす計画を立てたり…。すべてがうまくいったあと、社長家族がキャンプに出かけた家で、キム家族が社長宅で自由気ままに過ごす。

ここから衝撃が始まる。実は元の家政婦の旦那が社長宅の地下で生活していたのだ。貧富の差の極みというか、外に出ても仕事がないので、地下室で食べ物をくすねながら生活していたということだ。

キム一家の半地下の家は、大雨によりすさまじい状況となる。トイレからは汚水があふれ出る。家中水浸しとなる。最終的にどうなるのか。半地下で生活する者独特のにおいを社長が感じ取る。その匂いと他者を見下すような社長の言葉によりキムは…。

社長宅に住み着いていた元家政婦の旦那がおかしくなり包丁をもって社長たち家族のガーデンパーティに乱入する。とんでもない惨劇が繰り広げられる。どのようなオチとなるか楽しみにしていたが、想像外のオチには驚愕するしかない。

序盤の鮮やかな計画からラストの惨劇まで目が離せない作品だ。