パシフィック・ウォー


 2019.7.16      戦艦が沈没し長期間海を漂流する【パシフィック・ウォー】

                     
パシフィック・ウォー/ニコラス・ケイジ
評価:3

■ヒトコト感想
実話を元にした物語ということに驚いた。太平洋戦争を終わらせるために戦艦インディアナポリスで目的地テニアンを目指す。戦艦には原爆が積まれており、日本へ原爆を投下するために運搬している。インディアナポリスの館長であるマクベイは極秘任務を遂行しようとするのだが…。

日本軍との激しい戦闘でインディアナポリスは沈没してしまう。物語は、沈没してから海上を漂流する乗組員たちの苦悩がメインとして描かれている。ボロボロの筏で漂流する者たち。サメの餌食になる者もいる。最後まで希望を捨てずに、無事生き残ったとしても、マクベイは戦艦を沈没させた責任を問われる。マクベイの裁判で、敵対していた日本の潜水艦の艦長が証言台に立つなど、強烈な流れとなっている。

■ストーリー
1945年、太平洋戦争末期。アメリカ軍はマクベイ館長率いる重巡洋艦インディアナポリス号にある極秘任務を与える。それは長きに渡る大戦に終止符を打つ最終兵器。原子爆弾の輸送であった。危険極まりない戦地へと旅立ったマクベイと兵士たちは、日本軍との激しい戦闘を掻い潜りながらなんとか目的地テニアン島にたどり着くのだった…。

■感想
マクベイは極秘任務を達成するために苦心する。この手の作品のお決まり通り、若い乗組員たちは恋人を残して任務に挑む。彼女に結婚を申し込むことができずに出航する者。仲間といざこざを起こしたまま出発する者。

それらは日本軍との戦いでは協力して戦うのだが、日本の潜水艦の魚雷にやられてしまう。ここで、日本の回天の話が登場してくる。本作では、マクベイ側目線だけでなく、日本の潜水艦側目線でも物語が描かれている。紙一重の戦いに決着がつくのはホンの一瞬だ。

インディアナポリスは日本軍の魚雷により沈没してしまう。マクベイたちは船の残骸や残された筏になんとかしがみつき、海を漂流することになる。ここから、マクベスたちの過酷な漂流が始まる。わずかな水と食料を確保した状態で漂流する。

海には大量にサメがおり、乗組員たちは次々とサメの餌食となっていく。極限状態の乗組員たち。諦めてしまう者もいる。陸地を求めて筏を漕ぎ出す者もいる。その誰もが結局全滅してしまう。この過酷な漂流は、米軍の航空機が発見するまで続く。

命がけの漂流から生還したマクベイたちには、まだ過酷な未来がまっている。責任を放棄した上層部がすべてをマクベイのせいにしようとする。マクベイは裁判にかけられ、インディアナポリスの沈没の責任をとらされる。ここで衝撃なのは、敵対した日本の潜水艦の艦長が証言台に立ち、マクベイの無罪を訴える場面だ。

エピローグでは、実在したマクベイの名誉を回復するための処置がとられたり、日本の潜水艦の艦長がマクベイの無罪を訴える活動が描かれている。

本作が実話を元にしているということに、何より驚いた。



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