オタクに恋は難しい


 2021.4.12      あいまのミュージカルが邪魔だ【オタクに恋は難しい】

                     
ヲタクに恋は難しい 通常版 [ 高畑充希 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
マンガ原作の実写化。マンガは未読だが、ゲームヲタクの宏嵩とアニヲタの成海の面白恋愛物語を楽しく見ることができた。ただ、ミュージカル調が必要なのかは微妙だ。ヲタク同士が付き合うとどうなるのか。ヲタクを隠している成海とイケメンだが寡黙でゲーヲタの宏嵩。相手のヲタク趣味をどの程度理解するのか。

成海は自らのヲタク趣味を周りに隠してリア充のふりをする。ヲタクだが、自分と同じようなアニメヲタクを気持ち悪いと思っているのがポイントなのだろう。恋愛に慣れていないふたりの初々しさよりも、ヲタクのため、あらゆるイベントで問題が発生するあたりが面白い。イケメンで寡黙だが、実は重度のゲームヲタクのキャラがちょっとありがちかもしれない。

■ストーリー
26歳OLの桃瀬成海は、転職先の会社で、幼馴染の二藤宏嵩と再会する。ルックスが良く仕事もできる宏嵩は、実は廃人クラスの重度のゲームヲタク。そして成海もまた、マンガ・アニメ・BLをこよなく愛する隠れ腐女子であった。周りの人々にヲタクだとバレる「ヲタバレ」を何よりも恐れている成海はその本性を隠しており、真実の自分をさらけ出せるのはヲタク友達の宏嵩の前だけ。

会社が終われば2人はいつもの居酒屋でヲタ話に花を咲かす。男を見る目がない事を嘆く成海に対して宏嵩は「ヲタク同士で付き合えば快適なのでは?」と交際を提案。こうして2人はお付き合いすることに。お互い充実したヲタクカップルライフを始めるはずだったが、時に恋愛とは我慢、妥協、歩み寄りが必要なもの。"恋愛不適合"な2人には、数々の試練や困難が待ち受けていた!

■感想
ヲタクを隠して生活する成海。イケメンで寡黙でモテるが、実は重度のゲームヲタクの宏嵩。ふたりは幼馴染で偶然再会したために、宏嵩から告白して付き合うことになる。序盤では成海はまるっきり宏嵩に恋愛感情がなく、ただのヲタク友達として重宝しているような感じだ。

それが実は宏嵩がイケメンだということに気づき、意識し始める。それまで趣味でつながっていた二人がお互いを意識することでギクシャクしてくるのはよくあるパターンなのだろう。宏嵩の何を考えているかわからない表情が秀逸だ。

タイトルどおり、ふたりのヲタク趣味が微妙に異なるのがポイントだ。成海はアニメや声優や同人誌を書いたりもする。対して宏嵩はゲームヲタクだ。成海の趣味を理解するために宏嵩がアニメヲタクになるくだりは最高だ。

無理に部屋の中にアニメのタペストリーを飾ったり、フィギアをそろえたり。そんな宏嵩を見て、成海は気持ち悪いと言ったりもする。自分の趣味を彼氏にはやってほしくないという、複雑な心境なのだろう。恋愛不適合なふたりが付き合うとこうなるというのがよくわかるパターンだ。

ストーリーや俳優の演技は面白い。特に成海はすさまじいキャラであり、顔芸が面白すぎる。出演者それぞれがキャラの個性を活かした顔芸がすばらしい。ただ、唯一気になるのは、頻繁に登場してくる歌とダンスだ。このミュージカル調は原作にもあるのだろうか。

作品のトーンとしてミュージカル調が必要だとは思わない。ミュージカルが挟まれることで、物語のテンポが崩れるような気がした。最初から最後まで息つく暇もないほど、ギャグの連発でもよいような気がした。

各キャラクターの個性はすさまじい。



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