オリエント急行殺人事件


 2020.11.9      ラストの種明かしは衝撃的だ【オリエント急行殺人事件】

                     
オリエント急行殺人事件 [ ジョニー・デップ ]
評価:3

■ヒトコト感想
原作は未読。有名な作品らしいがアガサクリスティの作品は読んだことがない。主役の探偵ポアロについても、他のミステリー作品で名前は聞いたことがあるがよく知らない。密閉された急行列車の中で殺人事件が発生する。犯人はこの中にいる、という定番的なパターンであることは間違いない。

もしかしたら本作が元祖なのかもしれない。急行列車の中に偶然居合わせたポアロが調査し、犯人を探り当てる。強烈なのは殺された男と関係がないと思われたお互い面識のない乗客同士が、実はすべて男になんらかの恨みをもっていた部分だ。乗客の誰もが男を殺す動機がある。それらが小出しにされ、観衆は誰が黒幕かを勝手に想像するのだが…。ラストの展開は衝撃的だ。

■ストーリー
エルサレムで事件を解決した名探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスでの事件解決を依頼され、急遽、豪華寝台列車オリエント急行に乗車する。アメリカ人富豪ラチェットから、脅迫を受けているからと身辺警護を頼まれるが、ポアロはあっさりと断る。その夜、雪崩で脱線し立ち往生してしまった車内でラチェットが何者かに殺害される。鉄道会社から捜査を頼まれたポアロは、乗客たち一人一人に聞き込みを開始するが、乗客全員には完璧なアリバイがあることが判明するのだった……。

■感想
オリエント急行内で殺人事件が起こる。豪華な寝台列車に乗る者たちは一癖も二癖もある者たちばかり。中でも異彩を放っていたラチェットが何者かに殺されてしまう。偶然居合わせたポアロが事件を調査するのだが…。

乗客はポアロに敬意をはらっているようで、礼儀正しい者もいる。明らかに怪しげな雰囲気をだしていたり、犯人っぽい動きをしている者もいる。ポアロは証拠を集め、そこから推理を展開する。驚きなのは、雪で立ち往生した列車の中でのポアロの推理だ。

列車内だけの調査なのだが、ポアロは乗客の素性を明らかにしていく。そして、ラチェットとの知られざる関係も暴いていく。ラチェットが過去に犯した犯罪は、別人が逮捕されラチェットは逃げおおせていた。そのことを不満に思う人物がラチェットを殺害したという流れとなっている。

なんてことない執事が実はラチェットと関係があった。上品なマダムはまったくラチェットと関係がないかと思いきや…。勇敢な黒人の若き医者も、はるか昔の関係をたどるとラチェットに恨みをもっていたことがわかる。

ラチェット殺害事件の犯人は誰なのか。次々と容疑者が浮かび上がっては消えていく。容疑者と思われる男に銃撃されたポアロだったのだが…。ここである程度犯人が判明したかと思いきや…。ラストは乗客を一同に集めて、そこでポアロが独自の推理を展開する。

オチはまさかの展開だ。予想していたよりも衝撃的だ。序盤で車掌が、豪華列車に乗る人々は、まったくの他人同士。そんな者たちが列車でつかの間の期間過ごすことが面白い、というようなことを言っていたのが、しっかりと伏線となっている。

ちょっと原作を読んでみたくなった。



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