2020.5.3 破天荒なゲイリーがマスコミのおもちゃとなる【オレの獲物はビンラディン】
オレの獲物はビンラディン [ ニコラス・ケイジ ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
実在の人物を描いた作品だ。破天荒な中年男であるゲイリーが、テロリストのビンラディンを見つけ出し捕まえようとする。やっていることは無茶苦茶だが、それを実行しようと強烈な推進力で驀進していく。神から啓示を受けたからと、ヨットでパキスタンに向かったりもする。この行動力がすさまじい。強烈な使命感と周りの制止をふりきる強い心。
周りはゲイリーの行動をちょっと面白がるような節さえある。ゲイリーをテレビのトークショーに呼んだり。ただ、現実にはパキスタンに向かったゲイリーを待っていたのはフレンドリーな周りの人々と、政治的な圧力だ。確かに、大っぴらにあちこちでビンラディンを捕まえると叫んでいたら、本当にその任務にあたっているCIAからにらまれるのは当然だろう。
■ストーリー
コロラド州の片田舎。愛国心にあふれた中年男のゲイリーは、米同時多発テロ事件の首謀者とされるテロリスト、オサマ・ビンラディンの居場所を政府がいつまでも見つけられないことに業を煮やしていた。ある時、日課の人工透析中にゲイリーは神から啓示を受ける。「パキスタンに行って、オサマ・ビンラディンを捕まえるのだ」アメリカを救えるのは、オレしかいない!使命感を燃やし、独りぼっちで作戦を進めるゲイリー。ところが、パキスタンで彼を待ち受けていたのは、意外にもフレンドリーな現地の人々で…!?
■感想
ゲイリーは神の啓示を受けビンラディンを捕まえようとする。作中ではゲイリーは破天荒な人物として描かれている。周りの迷惑を顧みずに自分の思うとおりに行動する。幼馴染と再会し、恋人関係になることができても、ビンラディンを捕まえることは諦めない。
ゲイリーの目の前には妄想上の神がちょくちょく登場してくる。そのため、ゲイリーは神から煽られているようにすら思えてくる。このパターンは精神に異常をきたしたような人が神の妄想を見る流れではないだろうか。
普通に考えればゲイリーは異常な人物だ。神のお告げがあったからビンラディンを捕まえにパキスタンへ向かうという。周りはゲイリーを奇異の目で見る。当然だろう。ただゲイリーはひたすら目的を達成することしか考えていない。
ヨットを買う金を主治医から借金してまでして、ヨットでパキスタンへ向かおうとする。この異常な状況であっても、なぜか恋人はゲイリーのことを優しく見守っている。決して見捨てることはない。そればかりか、恋人の連れ子はゲイリーになついたりもしている。
異常者ゲイリーをメディアがおもしろおかしく取り上げたことから、ゲイリーが有名人となってしまう。パキスタンに乗り込んで、ビンラディンを捕まえると声高に叫ぶ。となると、政治的な圧力がかかるのは当然だろう。こんな面白い人物をメディアがほおっておくわけがない。
ゲイリーは弁が立つために、圧倒的な人気者となってしまう。その結果として本作が作られたのだろう。実物のゲイリーに似ているからと、ニコラス・ケイジが主演をしたりもしている。
ゲイリーはかなり強烈な人物だ。
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