ONCE ダブリンの街角で


 2018.5.9      曲はすさまじく印象的だ 【ONCE ダブリンの街角で】

                     
ワンス ダブリンの街角で オリジナル・サウンドトラック
評価:3

■ヒトコト感想
ダブリンの街角で、ストリートミュージシャンである男と、楽器店でピアノを弾くことを楽しみにする女の物語。ふたりは出会い、良い感じの雰囲気になるのだが、ふたりが親密になることはない。男の書いた曲が非常に印象的で頭にこびりついて離れない。仲間たちとセッションし、それを録音してCDにしようとする男。

いかにも貧困階級の男が、無理をして中古のスーツを買い、それを着てレコード会社にデモテープをもっていく。女は母親と娘との三人暮らし。男と女の微妙な関係というのは、見ていてヤキモキしてくる。それでいて、男に迫られると女は拒否したりと、ちょっとしたラブコメ的な要素もあるのだろうか。曲のインパクトが強いのだが、その他は、なんだかよくわからないまま終わっている。

■ストーリー
ある日、ダブリンの街角で、男と女が出会う。男は、穴の空いたギターを抱えたストリートミュージシャン。女は、楽器店でピアノを弾くのを楽しみにしているチェコからの移民。そんな2人を音楽が結びつけた。彼が書いた曲で初めてのセッションに臨み、意気投合する2人。次第に惹かれあうものの、彼らは互いに断ち切れぬ過去のしがらみを抱えていた。もどかしさを胸に秘めたまま、2人の気持ちが揺れ動いていく…。

■感想
ボロボロのギターを担ぎながらストリートでギターを弾く男。それをじっと眺める女。どちらも素朴で、男は父親が掃除機の修理業を営む。女は母親と娘と三人暮らしでつつましく生活している。女はお金がないので、楽器店でピアノを弾かせてもらう。

二人は良いカップルのように見える。男の方は女に積極的にアピールするのだが、女は少し引き気味となる。一度拒否されたことで、男は女に対して距離をおくのだが、グループでの活動としてはそのままで、すばらしい演奏をしている。

非常にそぼくなグループだ。男は野望はなく、自分の曲を歌うことに熱心になる。女はひたすらピアノを弾きたいと考える。最初はグループのことをバカにしていた録音機器を操作する男も、グループの演奏と曲を聞くとすぐに驚きの表情となり、しっかりと真剣に録音作業に取り組もうとする。

この流れはすばらしい。そして、なんどもリテイクし朝まで録音し続ける。ここまでして良いものを作ろうとする執念がすさまじい。それだけみな真剣に歌に取り組んでいるということなのだろう。

演奏のシーンは強烈なインパクトがある。そして、歌は頭の中にしっかりと入り込んでくる。しばらくの間は頭から離れない。それほど印象深い曲だ。ただ、曲は良いのだが、決して歌手としてデビューできるような雰囲気ではない。何かがあるのは間違いない。

しかし、チャンスを活かせるのは、様々な要素が必要なのだろう。歌がうまくて曲がよくても、それだけで売れるとは限らない。女も男もそれをわかっているだけに、ただ目標に向かってまい進しているといった感じだ。

この曲は強烈に印象深い。



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