億男


 2020.1.19      金を手に入れると人は変わる【億男】

                     
億男 [ 佐藤健 ]
評価:3

■ヒトコト感想
借金3000万を返すために必死で働く一男。家庭を顧みず朝も昼も夜も働き続けた結果、妻と娘と別居することになる。金にはどのような意味があるのか。絶望的な状況から突如として天国がやってくる。偶然手に入れた宝くじで3億円当選してしまう。そして、その3億円を親友に奪われてしまう。金とは何なのか。作中に登場してくる様々な人物が金について語る。

親友の九十九の行方を捜す過程で、九十九と同じく億万長者の者たちが金に関する考えを披露する。印象的なのは、怪しげなマネーセミナーを開く千住だ。金を紙きれのように扱い、観衆たちにもそれに同調させる。捨てられた金を拾い集め資金とする。なんだか金に関する極端な考え方が蔓延している物語だ。

■ストーリー
兄が3,000万円の借金を残して失踪して以来、図書館司書の一男(佐藤健)は、夜もパン工場で働きながら借金を返済している。妻・万左子(黒木華)は度重なる借金の返済に苦心し窮屈に生きることしか選んでいない一男に愛想を尽かし、離婚届を残して娘・まどかと一緒に家を出てしまうのだった。そんな踏んだり蹴ったりの一男だったが、突然宝くじが当たる。当選金額3億円! これで借金を返せるだけでなく、家族の絆を修復することができるはず。

だがネットを見ると、宝くじの高額当選者たちはみな悲惨な人生を送っているという記事ばかり…。怖くなった一男は、大学時代の親友であり、起業して億万長者となった九十九(高橋一生)にアドバイスを求めることにする。久しぶりの再会と九十九プロデュースの豪遊に浮かれて酔いつぶれた一男が翌朝目を覚ますと、3億円と共に九十九は姿を消していた――。3億円と親友のゆくえを求めて、一男のお金と幸せをめぐる冒険が始まった。

九十九の家のパーティで出会った“あきら"(池田エライザ)と名乗る女性を頼りに、かつて九十九と起業した仲間=“億男"と呼ばれる億万長者たちに九十九の手掛かりを探る。ギャンブル好きの実業家:百瀬(北村一輝)、マネーセミナーの教祖:千住(藤原竜也)、10億円を隠し持つ主婦:十和子(沢尻エリカ)…。クセ者ぞろいの億男たちを渡り歩く“地獄めぐり"に翻弄される一男。お金、友情、そして家族。すべてを失った男が最後にたどり着くのは?お金とは何か?幸せはどこかー

■感想
兄の借金の保証人になったことから3千万の借金を背負うことになった一男。金を返すことだけに執着した結果、妻に愛想をつかされてしまう。家族と別居した一男の生活は悲惨だ。食事は牛丼。昼は図書館で働き夜はパン工場でバイトする。睡眠時間が足りてないのは明らかだが、それでも借金を返すためと執念で働き続ける。

家族と触れ合う機会も少なくなり、金を返すことだけに集中する一男。金持ちで金の虜になっているのではなく、借金を返すために金の虜となっている状態だ。

悲惨な状態の一男はひょんなことから宝くじで3億円を当ててしまう。現金を手に取って見るよう親友の九十九にアドバイスされるのだが…。激しいパーティの後には3億円が九十九と共に姿を消していた。九十九は起業し100億もの資産がある状態だ。

一男は九十九の知り合いを訪ねて九十九の行方を探し出そうとする。金に対する考え方は人それぞれだ。金を持ちすぎて金にとらわれている人もいる。印象的なのは九十九と同様の企業外客で大金を手に入れてた主婦だ。普通の生活をしながらも、部屋の壁には10億の金がぎっしりと隠されていた。

金はただの数字でしかない。金よりも大切なものがある。よく聞く言葉だが、結局のところ大金を手にした人でないと言えない言葉だろう。どうしても大金を手にしてあれこれ買ったり、なんてことを考えてしまう。九十九は大金を手にした人を目の前にして、考えを変えたのだろう。

結局、一男の元に3億は戻ってくるのだが…。一男はその後金に縛られない生活をしたことだろう。大金を手にすることを夢見る人は沢山いるだろう。ただ、大金を手にした後どうなるかはその人にかかっている。

金を手にすると人間が変わるという物語だろう。



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