オデッセイ


 2018.10.11      生きるためのサバイバル力 【オデッセイ】

                     
オデッセイ [ マット・デイモン ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
火星探査ミッション中に火星においてけぼりをくったワトニーが、火星でひとりで生きるために四苦八苦する物語だ。絶対絶命の状況から、ひとつひとつの問題を自分ひとりで考え決断し、実行する。ものすごいサバイバル力だ。火星でジャガイモを育てて食料にする。地球と通信するための方法を模索する。生き残るために何が必要かを考え抜くのがすばらしい。

仲間に見捨てられた絶望から生き残るために努力する。普通ならばあきらめ、死を覚悟するところを執念で生存する。強烈な勇気をもらえる物語だ。また、ワトニーを生存させるために地球からのサポートや必死に補給船を製造しようとするその努力もすさまじい。強烈なインパクトはないのだが、かなり魅力的な作品だ。

■ストーリー
人類による有人火星探査ミッション<アレス3>が、荒れ狂う嵐によって中止に追い込まれた。ミッションに参加した6人のクルーは撤収を余儀なくされるが、そのひとりであるマーク・ワトニーは暴風に吹き飛ばされ、死亡したと判断される。しかしワトニーは奇跡的に生きていた。

独りぼっちで火星に取り残され、地球との交信手段もなく、次にNASAが有人機を送り込んでくるのは4年後。サバイバルに不可欠な食糧も酸素も水も絶対的に足りない。そのあまりにも過酷な現実を直視しながらも、ワトニーは決して生き延びることを諦めなかった。

やがてワトニーの生存を知って衝撃を受けたNASAや同僚のクルーは、地球上のすべての人々が固唾をのんで見守るなか、わずかな可能性を信じて前代未聞の救出プランを実行するのだった……。

■感想
火星にとり残されたワトニー。事故とはいえ絶望感はすさまじいだろう。自分がとり残されたと知ってから冷静に周りを分析して生き残るための計画を練る。まずは食料については、残された物では1年程度しかもたない。だとすると自給自足するしかないと判断する。

火星でジャガイモを栽培するというとんでもないことをやってのける。水を生み出したり、地球と通信する手段を模索したり。ワトニーが生きていると知ったNASAの面々の驚きはすさまじい。そして、ワトニーを生存させるための必死の活動もまたすさまじい。

ワトニーの生存のためのサバイバル能力もすばらしいのだが、NASAの必死の活動もすばらしい。ワトニーを無事に地球に帰還させるために、世界一頭のよい者たちが寄せ集まって対策を考える。ワトニーの食料の残りを考え、早く補給船を作るためにみな必死で作業する。

そして、ワトニーと共に火星で作業をしていたアレス3のクルーたちは、ワトニーの生存を知ると、自分たちを危険にさらしてでもワトニーを救出しようと必死になる。まさに世界中すべてがワトニー救出に動いているといった感じだ。

ワトニーの生存作戦には山あり谷ありある。最初はうまくいっていたジャガイモ栽培もダメになり、救出作戦も二転三転する。このあたり、ひとつの危機を脱したとしても、また次の危機がおとずれる。まさに宇宙だからこそ一歩間違えれば死が待っている状況のすさまじさかもしれない。

アレス3のクルーたちは、自分たちにも死の危険があるにも関わらず、ワトニーを助けることに満場一致で決断する。地球でも責任をとらされて辞任する者もいる。事なかれ主義を吹き飛ばす勢いがあることは間違いない。

火星で自給自足するための工夫には圧倒されてしまう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp