溺れるナイフ


 2019.11.6      少女漫画の典型的な流れ【溺れるナイフ】

                     
溺れるナイフ スタンダード・エディション [ 小松菜奈 ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
少女漫画が原作らしい。どことなく理屈っぽい男女の恋愛が描かれている。東京から田舎に引っ越してきた人気モデルの女は、地元で有名な悪の男に惹かれてしまう。悪にあこがれる女子というのは少女漫画にありがちなわかりやすいパターンだ。激しく自由なコウと、コウに翻弄される夏芽。お決まり通り夏芽とコウの関係は崩壊する。

そこで夏芽は優しく明るいコウの親友と付き合うようになる。それでも夏芽の心にはコウへの気持ちが消え去ることはなかった。なんだかわかりやすい少女漫画のパターンだ。ステレオタイプな悪な男と純粋な女。人気モデルなだけに東京から仕事の誘いがくる。仕事を選ぶのか男を選ぶのかという古典的なパターンもある。

■ストーリー
15歳の夏。東京から遠く離れた浮雲町に越してきた、人気モデルの望月夏芽。退屈でウンザリするようなこの町で、夏芽は体を貫くような“閃光"と出会ってしまう。それは、コウと呼ばれる少年・長谷川航一朗だった。傲慢なほどに激しく自由なコウに、反発しながらも、どうしようもなく惹かれてゆく夏芽。コウもまた、夏芽の美しさに対等な力を感じ、やがてふたりは付き合いはじめる。

「一緒にいれば無敵! 」という予感に満たされるふたり。しかし浮雲の夏祭りの夜、全てを変える事件が起きるのだった―。失われた全能感、途切れてしまった絆。傷ついたふたりは、再び輝きを取り戻すことができるのか。未来への一歩を踏み出すために、いま、ふたりがくだす決断とは―。

■感想
人気モデルであった夏芽が田舎に引っ越してくる。そこで町内で有名人であるコウと出会う。コウはよくわからない。あからさまに悪であるわけではなく、たまによくわからない行動をとる。そんなエキセントリックなコウに夏芽は惹かれていく。

よくわからない悪っぽい男に惹かれる女子の典型だ。夏芽は最初はコウのことを憎らしく思っていたが、いつの間にかそれが良い印象へと変わっていく。コウと夏芽はほどなくして付き合うことになる。お似合いのカップルとして町で有名となる。

夏祭りの夜に、コウと夏芽の関係を壊す事件が起きる。コウは自分の力のなさを嘆く。夏芽は助けてくれなかったコウのことを恨む。ふたりの関係は崩壊する。なんだかわかりやすい少女漫画の展開だ。お互いが相手のことを忘れることができないが、それでも気まずくなり別れることになる。

そこから夏芽はコウの親友と付き合うことになる。コウと比べて優しく常に明るい男。夏芽のことを大事にしてくれる良い男なのだが、夏芽は物足りないという気持ちをもつ。このあたり、若い女子にありがちなパターンだ。

夏芽とコウはお互いを気にしている。夏芽は東京に呼ばれて女優として花開こうとしている。コウは地元で有名な悪となる。そこから夏芽はコウのことが忘れられず、コウも夏芽のことが忘れられない。お決まりどおりの展開なので意外性はない。

夏芽とコウの関係がどうなるのかはある程度想像がつく。出演している俳優たちは、今や売れっ子となっているだけに、若い俳優たちの売れる前の微妙な時期が見られるのが良いのだろう。少女漫画原作だが、どこか文学の香りが漂う作品だ。

小説原作かと勘違いしてしまった。



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