ねことじいちゃん


 2021.4.13      猫と共におだやかな日常を過ごす【ねことじいちゃん】

                     
ねことじいちゃん [ 立川志の輔 ]
評価:3

■ヒトコト感想
離島で暮らす70歳の老人・大吉とタマの暮らしがメインの本作。離島では老人たちと猫たち、そして少しの若者たちしかいない。お決まりどおり、高齢者の一人暮らしの問題や、離島から出ていく若者が描かれてたりもする。驚きなのは、多数の猫が登場するのだが、すばらしい演技というか、絶妙なポジションで猫たちを撮影している。

猫がこれほどおとなしく、監督の意図するような動きをするのだろうか。老人の死や体調不良。そして、東京で暮らす息子から一緒に暮らさないかと誘われたりもする。おだやかな日々ではあるが、それぞれには問題がある。その問題は、猫とのおだやかな暮らしにより変化していく。猫との良い関係性がすばらしい。

■ストーリー
2年前に妻に先立たれ、飼い猫のタマと暮らす大吉、70歳。毎朝の日課はタマとの散歩、趣味は亡き妻の残した料理レシピノートを完成させること。島にカフェを開いた若い女性・美智子に料理を教わったり、幼なじみの巌や気心知れた友人たちとのんびり毎日を過ごしている。しかし友人の死や大吉自身もいままでにない体の不調を覚え、穏やかな日々に変化が訪れはじめた矢先、タマが姿を消して――。

一人と一匹、生まれ育ったこの島で、共に豊かに生きるために下した人生の選択とは――?

■感想
離島で生活する大吉を中心に猫との日常が描かれている。老人が大多数を占める離島。老人同士の喧嘩があったりと、日常としての風景が描かれている。人々の生活には猫がいる。常に近くに猫がおり、老人たちは猫をパートナーのように扱う。

この猫をどのようにして撮影しているのかが疑問となった。出演者とのコミュニケーションをとる場面では、しっかりと出演者の近くにおり、逃げ出してほしいタイミングですばやく猫はどこかに行く。この絶妙なタイミングがすばらしい。

離島にはわずかながら若者もいる。老人たちを診察する医者や郵便局員。そして、東京へとでていく若者もいる。東京での生活に疲れた美しい女性が離島でカフェをオープンさせたりもする。この若者たちはあくまでも物語のちょっとしたスパイスでしかない。

それなりの有名俳優たちが多数出演しているが、メインは老人たちと猫の物語だ。友人の死や体調不良があり、大吉は倒れたりもする。大したことはないのだが、東京から息子がやってきたりもする。高齢者ばかりの離島でのあるあるが描かれている。

息子からは東京で一緒に暮らそうと誘われるのだが…。大吉は猫だけでなくこの離島での生活が楽しいのだろう。おだやかな日常がこれでもかと描かれている。一人暮らしの老人が死んだ妻の残した料理レシピを引き継いで、料理レシピを完成させる。

ひとりっきりの料理の場面があちこちに登場するのだが、そこに彩を添えるのは猫の存在だ。老人のひとりの食事のわびしさが、猫と話ながらの食事によりさみしさが軽減されている。物語に大きな山や谷があるわけではない。おだやかな日常だ。

出演者が豪華なことに驚いた。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp