ねこあつめの家


 2021.1.17      スランプ作家を猫が癒す【ねこあつめの家】

                     
ねこあつめの家
評価:2.5

■ヒトコト感想
人気小説家が落ちぶれスランプに陥った際に、どうするのか。。編集者の無理難題に答えながら、自分の書きたい作品は書けない。売れないのだからしょうがない。悲しい作家の定めなのだ。作家はスランプから脱するために田舎の古民家に移り住むのだが…。そこで野良猫たちが集まりいつのまにか猫にはまっていく作家の物語だ。

作家のスランプ具合は、今のSNSのせいも多少あるのだろう。作品を発表するとすぐさまSNSに感想が書き込まれる。印象に残るのは否定的な感想ばかり。作家としては売れてないだけに何も言えないのだろう。編集者からのごり押しで作品にゾンビをだしたりもするのだが…。猫との交流で変わっていき、最終的にはスランプを脱している。

■ストーリー
若くして人気作家となったものの、現在はスランプ中の小説家・佐久本勝は、不思議な占い師の予言と不動産屋の勧めにより、片田舎の古民家に移り住むが…。

■感想
一躍人気作家となって、その後の作品が鳴かず飛ばずな作家は多いのだろう。二作目以降も冴えず、ネット上では終わった作家扱いとされる。ただ、一時的には有名になったために、名前だけは知られている。作家としては、作品の質により評価されるべきなのだが、書けないというのが最もつらいのだろう。

編集者は半ばあきらめ気味でむちゃくちゃなアイデアを提案してくる。恋愛小説にいきなりゾンビを登場させるなんてのはやりすぎでしかない。それを受け入れるしかない作家もつらい。

半ば逃げるように誰にも知らせずに田舎に引っ越す作家。それでもSNSを巧みに駆使して編集者は追いかけてくる。ゾンビが登場してからの作品をなんとしてでも完結させるための編集者の執念だ。作家が無理やりひねり出した作品を、編集者は面白くないという。

そんな作品でも持ち帰り、本とする。編集者は仕事として原稿を持ち帰る。その内容がダメダメでも…。なんともビジネスライクな編集者だ。そんな編集者も最終的には作家のゾンビ小説に感動して泣いたりもする。

田舎での野良猫との生活は穏やかでよいのだろう。スランプの作家にとっては一時でも書くことから離れるのは重要だ。ペットショップに通いながら、ついにはペットショップでバイトしたりもする。充電期間として作品のインプットを作るのは重要だろう。

猫が特別な役割をするわけではない。ただ、猫は遊びたいように遊ぶだけ。作家は猫が遊びやすいように庭に様々な器具を設置したりもする。田舎であるだけに、充電するにはもってこいの環境なのだろう。

猫が人を癒すのは確かだ。



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