ナイトクローラー


 2019.1.3      自らスクープを作り出す 【ナイトクローラー】

                     
ナイトクローラー [ ジェイク・ギレンホール ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
コソドロのようなことをしていたルーが仕事探しをしていると、事故現場を撮影しその映像をテレビ局へ売る商売をしている男たちと出会う。悲惨な映像をテレビ局へ売る仕事。ルーは無表情で淡々と仕事を行うタイプなので、悲惨な事故の状況でも臆せず映像を撮ることができる。警察無線を傍受し素早く現場に駆けつけ映像をとる。

この成果が認められテレビ局のディレクターの専属のような形となるのだが…。商売敵との激しい争い。テレビ局との値段交渉。そしてエスカレートするスクープ合戦。誰も撮れないスクープを手に入れるため、ルーは禁断の手段をとる。アルバイトで雇った男を信用せず、自分の考えだけで邁進する。最後にはルー自身が痛い目を見るかと思いきや…。

■ストーリー
学歴もコネもなく、仕事にあぶれたルーは、ある日、事故現場を通りかかり、テレビ局に悲惨な映像を売るカメラマンたちの存在を知る。さっそくビデオカメラを手に入れたルーは、<ナイトクローラー>となり、夜のL.A.を這いまわる。良心の呵責など1秒たりとも感じないルーの過激な映像は高く売れ、評価されるが、高視聴率を狙うテレビ局の要求はさらにエスカレートしていき、遂にルーは一線を越えるー。

■感想
ひとたび事故が起こればそこに駆け付けるルーとアルバイトの男。悲惨な現場にも臆することなく映像を撮り続けるルー。その過激な映像が評価され、テレビ局内部でも話題となるのだが…。ルーの無表情には強烈なインパクトがある。

仕事を探す男を見つけ、自分の助手をさせようとするのだが、その交渉術も見事だ。男はまさにルーに搾取されるだけの存在となっている。ルーたったひとりが話題となり成長していく。それはテレビのディレクターでさえも、ルーからしたらただの踏み台でしかないのだろう。

ルーは商売敵との激しい競争にさらされている。誰が最初に現場に到着するのか。商売敵からグループを組んで縄張りを分け、一緒にやらないかと尋ねられるのだが、それすらも一蹴する。ルーは自分ひとりで成功しようとする。

誰かと成果を分けるなんてことは一切考えないのだろう。行き過ぎたスクープ合戦は、ルー自身に不正を働かせる。そして、偶然の要素はあるにせよ、強盗殺人の現場に警察よりも早く到着してしまう。そこで決定的なスクープ映像を手に入れるのだが…。ここからが本作の素晴らしい部分だろう。

ルーは次なるスクープのために、犯人グループの映像をあえて警察には提出しなかった。そして、自分が犯人たちを見つけ、警察たちとの銃撃戦をスクープしてしまう。まさに無茶苦茶な男で、その無茶苦茶な状況でも成功しているというのがすごい。

いつかルーにも報いがくるのではないかと思っていたのだが…。ナイトクローラーとしてルーが成功していく過程では、タフな交渉術を抜きには語れないだろう。相手が誰であろうと交渉で妥協することはない。

ナイトクローラーとして成功していくルーが描かれている。



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