胸騒ぎのシチリア


 2018.9.16      いかにもセレブなバカンス 【胸騒ぎのシチリア】

                     
胸騒ぎのシチリア
評価:3

■ヒトコト感想
バカンスの地シチリアでの物語。まず冒頭でボロボロの車でいかにも田舎のリゾート地っぽい場所で過ごすふたりの男女の姿が描かれている。これだけで強烈なバカンスの香りが漂ってくる。世界的に有名なロック歌手のマリアンとそ恋人ポール。遅れてマリアンの元彼であるハリーとその娘であるベンが合流する。四人のシチリアでの休暇の過ごし方が、いかにもセレブの休暇という感じがよい。

人の多い観光地へ足蹴く通うのではなく、のんびり過ごし、たまにプールで泳いで一日が終わる。まさにこれぞザ・バカンスという感じだ。物語はお決まりどおり四人の男女が複雑に絡みあい、隠れたトラブルとなる。シチリアでのバカンスの描写が、強烈な印象を残している。

■ストーリー
世界的な人気を誇るロック歌手のマリアンは、痛めた声帯と心を癒す為、年下の恋人のポールとシチリアのパンテッレリーア島で優雅な時間を過ごしていた。ところが、マリアンの元彼でカリスマ音楽プロデューサーのハリーが、セクシーな娘ペンを連れて押しかけてくる。

歌って踊り続けるエネルギーの塊のようなハリーは、実はマリアンとの復縁を狙っていた。一方で、若さを持て余したペンはポールへの好奇心を募らせていく。マリアンの焦りが最高潮に達した時、思いもよらない事件が待ち受けていた―。

■感想
マリアンは喉の手術をし、その療養のためにシチリアでバカンスをする。恋人のポールと優雅な時間を過ごしていると、そこに元彼で音楽プロデューサーのハリーが娘を連れてやってくる。この四人の男女がシチリアでバカンスを満喫するのだが…。

いかにもセレブなバカンスの過ごし方が強烈に印象に残っている。のんびりと過ごし、プールで泳ぎ、近くを散歩し、地のものでおいしい料理を作る。何かに追い立てられるような休暇の過ごし方ではない。真に心と体を休めるためのバカンスだ。

シチリアの地でハリーの娘であるベンはポールに憧れの視線を向ける。最初は拒否していたポールだが…。同じタイミングでハリーはマリアンに言い寄ることになる。奇妙な関係であり、お互いの状況はすこしづつ感じているのかもしれない。

禁断の関係ではあるが、その状態で長く同じ屋根の下で生活するのは難しいのだろう。トラブルが発生し、思いもよらない事件が起こる。この事件をきっかけとして、皆がバラバラになるのだが…。複雑な状況であることは間違いない。

シチリアの地で大人なカップルと、親子が同じ屋根の下でバカンスを過ごす。特別着飾るのではなく、ラフなTシャツと短パンでどこにでも移動する。汗すらもさわやかに感じるような、青い空が続く。シチリアという地が、開放感を感じさせると共に、人に何かを起こさせる勢いがある。

四人の人間関係の微妙な雰囲気を楽しみつつ、その後どうなるのかを想像しながら見るのもよいだろう。本作の四人のような、のんびりとしたバカンスは、貧乏性な自分には絶対に無理だと感じた。

ある意味、憧れるバカンスだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp