2019.8.23 ラオスで恋人を作り赤裸々に語る 【モンキームーンの輝く夜に】
モンキームーンの輝く夜に (幻冬舎文庫) [ たかのてるこ ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
作者の作品を久しぶりに読んだ。相変わらずマニアックな場所を旅している。今回はラオスの旅だ。ただ旅するだけでなく恋人を見つけてくるというおまけつき。それをセキララに書籍化するのもすごい。オチで結婚するとかあるのかと思いきやそうでもない。ラオスで男を見つけ、まだ日本に連れてくる前の状態を本で描くというのはすごすぎる。
海外でのリアルな恋愛を読まされているような気分だ。東南アジアのラオスで男を見つける。モテない男が東南アジアで結婚相手を見つけるというのはよく聞く話。金持ちな日本人目当てなのだろう。それが、女が、ナンパしてきた東南アジアの男と恋人同士となる。かなり特殊な状況であることは間違いない。
■ストーリー
「私の運命のオトコが、なんでサル顔なわけ!?」。東南アジア最後の辺境ラオスで“旅人OL”が見つけた最愛の男は、サル顔の自然児だった。旅先でナンパされ、出会ったその日に告白されて…それでも本気でホレたから、“お持ち帰り”することに決めたのです!運命?勘違い?不安材料てんこ盛り。笑いと涙のハチャメチャ恋愛亡命記。
■感想
ラオスを旅するOLが、現地でナンパしてきたサル顔の男と付き合うまでの作品といっても良いだろう。日本人の女性がラオスの男に現地で恋をして、そのまま日本に持ち帰ろうとする。レアなパターンだ。国のランク的に日本人のモテない男が金の力で結婚相手を探すパターンはよくある。
女が男を手に入れるのは、もはや男に対してほとんど経済力を求めていない、純粋な愛ゆえの選択なのだろう。作者であるたかのてるこは、恋人同士になるまでをあけっぴろげている。
ラオスでの旅のメインはこの恋人であるシノヤン絡みのことばかりだ。ラオスから日本に帰ってきてからも、シノヤンとのメールでのやりとりは続く。日本には恋人がいるにもかかわらずだ。かなり自由だ。
あまり日本に帰ってからのことを考えていないのだろう。シノヤンはまだ学生で、日本に来れるのも最低でも3年は待つ必要がある。仮にシノヤンが日本に来たとしてもどんな仕事ができるかわからない。まさに売れない劇団員と恋人になるよりもリスクのある付き合いだ。
あとがきでも書かれていたが、作者の母親があからさまにラオス人との恋愛を描き、もし別れたらその後はかなり恋愛のハードルが高くなるのだろう。元彼がラオス人で、その恋愛の内容も暴露されている。
強烈な状況であることは間違いない。芸能人がスキャンダルを暴露されるように、自らの恋愛を暴露している。リスクのある行動であり、その後、シノヤンとは別れたらしい。まぁ、それらをひっくるめて作者の自由奔放な部分がよく出ているエッセイということなのだろう。
まさかラオスで恋人を作ることになるとは思わないだろう。
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