目撃


 2021.12.3      変幻自在で神出鬼没な泥棒【目撃】

                     
目撃
評価:3

■ヒトコト感想
盗みのプロのルースは、忍び込んだ大豪邸で事件を目撃する。大統領が不倫相手の女と揉め、シークレットサービスが女を殺害してしまう。その一部始終を隠れて見ていたルースが事件をどのようにして告発するのか。プロの盗みの手口からルースが犯人だと調べる刑事。大統領側のシークレットサービスたちはルースの命を狙い、刑事はルースを逮捕しようとする。

ルースの、まるでルパンのように変装し神出鬼没具合がすさまじい。警察はルースを逮捕できない。ルースは大統領側が女を殺したことの証拠を、女の旦那に見せる。この流れが秀逸だ。ルースの独特な立ち回りにより、大統領側は崩壊している。ルースと娘の関係は、最近のクリントイーストウッド作品に近いものがある。

■ストーリー
世界的な腕を持つ盗みのプロが、ある夜、忍び込んだ大富豪邸で衝撃的な事件に遭遇。国家を揺るがす大事件を目撃してしまう。そして彼自身の命だけでなく愛する娘にまで危機が迫ったとき、彼は巨大な敵を相手にひとり戦いを決意する。

■感想
ルースが盗みに入った豪邸の中で事件は起こる。資産家の婦人である女は現職の大統領と不倫していた。ふたりが揉め始め、そしてシークレットサービスにより女は殺害されてしまう。一部始終を隠れて見ていたルースは、証拠となる血の付いたナイフを手に屋敷を抜け出すのだが…。

大統領の側近にそのことを見られており、逆に大統領側から狙われることになる。プロの手口からルースが犯人だと勘づく刑事だが、ルースは決して殺しを行わないと疑問に感じることになる。優秀な刑事の動きと大統領補佐官やシークレットサービスの駆け引きがすさまじい。

ルースはひっそりと海外へ脱出しようと考えていたが、空港で大統領が白々しく会見するのを見て怒りを募らせる。普通に考えれば、大統領の秘密を握る危険を冒すよりも、何も知らないふりをして逃げるのが一番だ。ルースは危険を覚悟して真実を明かそうとする。

この決断により大統領側と警察の両方から狙われることになる。娘と会う場面を狙われ、長距離から狙撃されたりもする。すべてを理解しているルースが用意周到に逃げるのが良い。ルースの変幻自在具合が最高だ。

ラストでは、ルースは妻を殺害された男に真実を告げる。そして、真実を知った男がとった行動は…。ルースからすると証拠を警察に提示したことで、自分のことを信じてもらえるとは限らない。大統領の力により握りつぶされる可能性がある。となると、考えることは一つしかない。

ルースが正義感を募らせたことで、ルースの娘までもが危険にさらされることになる。終盤ではルースが殺しは行わない、というルールを破り娘を狙ったシークレットサービスを殺したりもしている。

クリントイーストウッドがこの時期から老人風なことに驚いた。



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