ミスター・ロンリー


 2019.9.14      モノマネ芸人たちが共同生活する古城【ミスター・ロンリー】

                     
ミスター・ロンリー [ ディエゴ・ルナ ]
評価:2

■ヒトコト感想
モノマネ芸人は古今東西、どこかイロモノ扱いされるのだろう。マイケルジャクソンのモノマネ芸人であるマイケルが、マリリンモンローのモノマネ芸人と出会い、モノマネ芸人たちが共同生活をする古城へと入りこむ。俗世間とは隔離された生活。周りにはモノマネ芸人しかいない。流行らないモノマネを頑なに続けるモノマネ芸人たち。共同生活ではトラブルも起こる。

マイケルはマリリンモンローに恋をするが、モンローにはモノマネ芸人の夫がいる。どこか宗教的であり芸人たちが暮らす城も幻想的だ。アフリカの上空からスカイダイビングで降下するシスターたちなど、突如として変化する雰囲気がすごい。マイケルは自分探しの旅にでる感じなのだろう。

■ストーリー
パリの街角で今日もマイケル・ジャクソンのモノマネ・パフォーマンスを披露する男がいる。名前は、マイケル。職業もマイケル。食事の時も眠る時も“24時間365日マイケル”なのだ。そんなマイケルがある日、マリリン・モンローとして生きている美しい女性と出会う。スコットランドの古城でモノマネ芸人たちと共同生活をしている彼女は、彼らと“地上最大のショー”を計画していた。ひと目でマリリンに心を奪われたマイケルは、彼女に誘われるままにチャップリンやマドンナ、ジェームス・ディーン、そしてエリザベス女王が待つユートピアへと旅立つ。それが、初めての恋に突き動かされて、ほんとうの自分を探す旅になるなんて、思いもせずに・・・。

■感想
パリの路上でパフォーマンスをするマイケル。マリリンモンローのモノマネ芸人と出会い、モノマネ芸人たちが暮らすスコットランドの古城へと向かう。マイケルはそこまでマイケルジャクソンに似ているわけではない。ダンスと痩せた風貌とその雰囲気でマイケルジャクソンに見えているだけだ。

登場してくるモノマネ芸人たちも激似なわけではない。マリリンモンローもあの特徴的な衣装とカールした金髪でその雰囲気を感じるだけだ。モノマネ芸人としてのインパクトはない。

物語はスコットランドの古城で繰り広げられる。共同生活をするモノマネ芸人たちの中でも仲たがいはある。誰も自分たちのモノマネなんか興味がないと卑下する者もいる。客観的に見るとその分析はあっているのだろう。

モノマネ芸人同士で傷のなめ合いをしているようにすら見えてくる。モノマネ芸人として有名となりテレビに出演するわけでもない。路上でモノマネを披露して小遣い程度の金をもらうだけ。いつかは大勢の観客の前でモノマネを披露したい。ただ、それが実現されることはない。

どこか宗教的なにおいを感じてしまった。ある特殊な考えをもつ者たちだけで共同生活をする。その中で、ひっそりと地上最大のショーを計画する。結局のところモノマネ芸人たちの夢であるショーを実現したはいいが、観客はまばらとなる。主人公であるマイケルはその現実を目のあたりにし、ラスト間近では衝撃的な出来事が起こる。

マイケルのモノマネ芸人としての人生に大きな影響を与える古城での生活。ラストでモノマネ芸人を辞めていることがすべてなのだろう。

奇妙な印象は最後まで拭い去れない。



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