まにまに 


 2018.6.21      関西系のお笑いエッセイ 【まにまに】

                     
まにまに [ 西加奈子 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
西加奈子のエッセイ集。作者のエッセイは面白い。軽い感じでユーモアにあふれている。エッセイの中ではしっかりとオチもついている。作者の性格がわかるような記述もある。作家として世間一般とは違う生活様式をとっているので、そのことに対する面白エッセイもある。後半では音楽に対するエッセイがある。このあたりは作者と趣味があわないのか、あまり楽しめなかった。

エッセイに登場してくるCDをほとんど知らないので、あまり楽しむことができなかった。それ以外には、作者が好きな本に対してのエッセイもある。このあたりも、自分が読んだことのある本がないため、感想を共有できなかった。それ以外のライトなエッセイは十分楽しむことができた。

■ストーリー
私って、生きてきたんだなぁ。嬉しくても悲しくても感動しても頭にきても泣けてくるという、喜怒哀楽に満ちた日常、愛する音楽・本への尽きない思い…。『サラバ!』で多くの人に「信じる勇気」を与えた西加奈子の6年分のエッセイがギュッと詰まった一冊。

■感想
西加奈子の日常が描かれたエッセイ集。関西系の乗りなので、面白いオチがついている。作家としての生活では、一日中外にでないこともあり、出前をとるときには見栄をはって2人前を頼んだりもする。それら作者の日常を知ることができるのは良い。

友達との関係や、編集者との関係なども面白おかしく描かれている。印象的なのは、友達が嫌われた人とどうやって仲直りすればよいかと悩んで相談してきた時、作者はより強いテンションで相手のことを憎めばよいと語っている。この回答がでてくるのはかなり特殊だ。

海外への登山や膝を悪くしただとか、その日の午後に東日本大震災が発生しただとか、6年分のエッセイは時間の流れを感じずにはいられない。序盤では結婚はしていないが、後半のエッセイではエッセイの中に旦那さんが登場してくる。

結婚できない負け犬的なイメージがあったのだが、ちゃんと結婚できていることに驚いた。売れっ子小説家となり、生活が変わったかどうかはわからない。エッセイとしての面白さは、くだらない面白さであることは間違いない。

後半では音楽や本についてのエッセイがある。作者がとりあげる音楽は、自分が聞いたことのない音楽なので、エッセイをそれほど楽しむことができなかった。本についても、自分が読んだことのある本ではないので、あまりエッセイに共感できなかった。

やはり作者と自分の趣味が合うというのは重要だろう。プロレスだとかお笑いだとかの面では合うが、音楽や本についてはことごとく合わない。作者が選んだ作品のほとんどを見たことも聞いたこともないからだ。

基本は関西の乗りの面白エッセイだ。



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