マネー・ショート 華麗なる大逆転


 2018.8.19      サブプライムローン崩壊前夜 【マネー・ショート 華麗なる大逆転】

                     
マネー・ショート 華麗なる大逆転 [ クリスチャン・ベール ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
リーマンショックの裏側?を描いた作品。本作は実話ベースということなので、その時々の出来事をリアルに感じることができる。メインは金融商品の話なので、なじみのない言葉ばかりが登場してくる。それらについては丁寧な説明があるのだが…。いかんせん、ドラマチックな展開というよりも、小難しい印象が強いかもしれない。

自分的にはこの手の話が好きなので問題なく見ることができたのだが、ダメな人は序盤で眠たくなるだろう。サブプライムローンが破綻することを知っているが、物語の中ではそんなことはありえないと皆が口をそろえて語る。気づいた者たちだげが、逆張りしたことにより、最後の最後に大きな儲けを得ることができる。このあたりの一発逆転感はすさまじい。

■ストーリー
2005年、へヴィメタルをこよなく愛する金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は、格付の高い不動産抵当証券の事例を何千も調べていくなかで、返済の見込みの少ない住宅ローンを含む金融商品(サブプライム・ローン)が数年以内に債務不履行に陥る可能性があることに気付く。

しかし、その予測はウォール街の銀行家や政府の金融監督機関からまったく相手にされなかった。そんななか、マイケルは“クレジット・デフォルト・スワップ"という金融取引に目をつけ、ウォール街を出し抜こうと画策する。

同じころ、マイケルの戦略を察知したウォール街の銀行家ジャレット(ライアン・ゴズリング)は、信用力の低い低所得者に頭金なしで住宅ローンを組ませている大手銀行に不信感を募らせるヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーブ・カレル)を説得し、“クレジット・デフォルト・スワップ"に大金を投じるよう勧める。

■感想
サブプライムローンが破綻し、世界に衝撃的な経済危機が発生した。実話をベースとした本作。アメリカ国内ではこのサブプライムローンの破綻を予想し、そこに賭けていた者たちがいた。金融トレーダーのマイケルは、周りから無謀だといわれながらも、サブプライムローンが破綻すれば莫大な利益が入る金融商品に投資する。

常識的に考えると日本の住宅ローンが破綻するなど、誰も想像しない。常識を疑い、自分の調査した結果を信じることで、周りから何を言われようとブレない信念がすばらしい。

マイケルと同じように、サブプライムローンの破綻兆候に気づく者たちがいる。基本はこれらの者たちが、世間の流れとは逆行するような投資を続ける。合間には細かな金融の特殊用語についての説明があるのだが、これがなければまったく意味がわからないだろう。

基本的に小難しい金融商品についての説明がメインで、それらを理解しないと物語を楽しむことができない。金融の仕組みと、サブプライムローンが破綻した時に大儲けできる金融商品も通常時は莫大な保証金が必要など、細かな要素を理解する必要がある。

明らかに破綻の前兆が見えてきても、銀行や格付け会社は自分たちを守るためにバブル崩壊を認めようとしない。ただ、事実として破綻した証券会社が出始めると…。このあたりの怒涛の流れはすさまじい。今まで散々周りから攻められていたマイケルは、とんでもない運用成績を上げることになる。

印象的なのは、自分たちが儲けることはできるが、アメリカ経済は深刻な状況に陥り、多数の人が失業するという現実に悲しむという場面だ。まさにこれが現実なのだろう。

実話をベースにしているだけに衝撃的な展開だ。



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