マッド・マックス 怒りのデス・ロード


 2019.3.12       何の説明もいらない 【マッド・マックス 怒りのデス・ロード】

                     

評価:3.5
マッドマックス 怒りのデス・ロード [ トム・ハーディー ]
■ヒトコト感想
マッドマックスの初期の作品は見たことがない。本作を見た最初の印象は「北斗の拳」だ。世紀末感がすさまじい。火炎放射器と人力に頼った機器。肩パットにはトゲトゲがついて、鉄がむき出しの防具。女たちは、白いヒラヒラとした布を体に巻くだけ。ただ、この世紀末感が最高にすばらしい。

逃げるマックスたちと追う者たち。追う者たちは典型的な敵キャラなのが最高だ。見た目グロテスクで酸素マスクをしたようなボス。デブでスーツを着た中ボス。ヒャッハーと叫びながら火炎放射器を振り回す雑魚キャラたち。バイクや特殊な車。水やガソリンが貴重。余計な説明はなくともこの勢いと映像だけで引き込まれてしまう。なんのストーリーがなくとも引き込まれる。良い作品とはこういうものなのだろう。

■ストーリー
壮絶な過去を引きずりつつ、荒廃した世界をさすらうマックス・ロカタンスキー(トム・ハーディ)は、大隊長フュリオサ(シャーリーズ・セロン)率いる集団と出会い、「緑の土地」を目指す逃避行に加わる。振り返れば大勢の手下を従えて反逆者を猛追する敵の首領の姿が。今ここに、爆音轟くカーバトルが勃発する!

■感想
よくわからなく無茶苦茶だが強烈な引きの強さがある。大隊長のフュリオサは水を持ち帝国から逃げ出し緑の国に行こうとする。帝国からは攻撃的な追っ手が迫る。基本はこの追いかけっこがすべてだ。それ以外には余計な説明はいらない。

車の全体に針のようなものがついた追っ手や、マシンガンや火炎放射器はもちろんのこと、人を車の正面に縛り付けて追いかけてくる車もある。それら追っ手の激しい追撃に対してフュリオサは反撃しながら逃げ切ろうとする。

見た目の世紀末感が最高だ。まさに北斗の拳の世界だ。(北斗の拳が元祖マッドマックスをまねしたのだろうか…)。魅力的な敵キャラたちには、余計な説明はいっさいない。ただ、見た目だけで判断しろという感じだ。

女たちはみな美しい。少ない布切れを体に巻き、か弱さをアピールしている。対して男たちは筋肉モリモリで攻撃的な防具に身を包むか、ボスに宗教的に心酔している全身白塗りの男たちしか登場しない。もはやこのなんでもありな感じが最高だ。

極めつけは、追いかける大群の中で激しいロックを奏でるギタリストが車の上で演奏し続ける部分だ。はっきり言えば、その存在に意味はない。邪魔なだけだが盛り上げるのには必要なのだろう。一回転する車や、激しすぎるカーチェイス。

物資に乏しく、水や燃料が貴重な夢も希望もない世界。そこでひたすら逃げ続ける。ボロボロになりながらも、肩パッドに針がついた荒くれ者たちから逃げ続けるしかない。車から飛び降りるのは当然のこと、激しいカーチェイスをひたすら繰り返すだけだ。

これがマッドマックスか、という衝撃を受ける作品だ。



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