2018.12.28 ホームレスの実状 【ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度】
ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度 [ ジェナ・マローン ]
評価:3
■ヒトコト感想
普通の人生を送っていたジョージがホームレスへと転落し、そこから抜け出せない物語だ。ニューヨークのホームレスの実情が描かれている。一度ホームレスへと転落すると、誰かの助けが必要となる。身分証明書もなく社会保険番号もわからない。なにもかもナイナイづくしであれば、まっとうな生活もできない。
ジョージは施設で無料で手に入れた上着を質に入れビールに代える。そんなことをひたすらやりつづけ、刹那的な快楽を求めている。ホームレスのシェルターでの生活や、同じようにホームレスから抜け出せない者の存在もある。こうなってしまうと、どうしようもないような気がした。ホームレスの女に騙されたりもする。人生のどん底がそこにある。
■ストーリー
かつては職に就き、妻子を持ってまっとうな人生を送っていたジョージ(リチャード・ギア)。しかし今では職も家族も住処も失い、人生のどん底。施設でもらった上着を質に入れ、わずかなビールに変える毎日を送っていたが、やがてニューヨークのホームレス用シェルターの厄介になることを余儀なくされる。
彼は、この新しい世界から自らの道を切り開こうと、シェルターのベテランで友人となるディクソンに助けを借り、人生をやり直していこうとする。その中で、疎遠になってしまった娘マギーと連絡を取りなんとか関係を修復しようと奮闘するが、父親を憎んでいる彼女には彼女の生活があり、そんなジョージを受け入れられないでいた…
■感想
住む家も家族も失ったジョージの物語だ。ホームレスに転落した理由については詳しく語られていない。ただ、家を追い出された後、どうしようもない状態となってからは、あちこち彷徨うが日々を生き抜くことで精一杯となっている。救急病院のロビーで暖をとっていると看護師から追い出される。
公的機関に助けを求めようとすると、身分を証明するものが必要と言われる。ここで、なぜジョージが身分証明書を何ももっていないのかが不明だ。社会保険の番号すら忘れており、ジョージをジョージと証明するものが何もない状態となっている。
ホームレス用のシェルターに逃げ込んだジョージだが、そこはジョージと同じような人であふれていた。何か前向きに行動を起こそうとするのではなく、着ているものを質屋に売り、その金でビールを買ったりもする。
上着がなくなったら施設へと入り込み、上着を手に入れる。まさにその日暮らせればよいというような状況だ。這い上がるために仕事をしようとするわけではなく、道行く人に小銭をねだるだけ。まさにアメリカのホームレスの実情が描かれている。
ジョージは疎遠になっていた娘に会いに行こうとする。ただ、ここでも娘には辛くあたられる。ジョージがホームレスになってしまったのには、ジョージ自身に原因があるだろう。女ホームレスに騙されたり、シェルターで隣になったディクソンに苛立ったり。
ジョージがホームレスからの脱却に必死になっているようには見えない。ただ、流されるままにホームレス生活を続けているだけのように思えてしまう。強烈なインパクトはないのだが、ホームレスはこんな感じなのだとわかった気がした。
一度ホームレスになると、簡単には這い上がることができないのは確かだろう。
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