リトル・バード 164マイルの恋


 2019.5.26      都会に憧れて痛い目をみる田舎娘たち【リトル・バード 164マイルの恋】

                     
リトル・バード 164マイルの恋/ジュノー・テンプル
評価:3

■ヒトコト感想
田舎で生活する不良のリリーとまじめなアリソン。ふたりは退屈な毎日を過ごしていたのだが…。LAからやってきた男の子たちと仲良くなり、そこからリリーは一気にLAへのあこがれの思いを強くする。リリーは田舎暮らしにストレスを溜めている。対してアリソンはリリーに言われるがまま振り回されている感じだ。

LAで男の子たちと再会し廃墟で一緒に生活し、美人局のようなことをして金を稼ごうとする。リリーが明らかに危ない道へと引き込まれている。それに付き合うアリソンは、見た目が悪いからと男の子たちに相手にされない状態となっている。リリーの危うさとアリソンが最後に爆発する場面が衝撃的なのは間違いない。

■ストーリー
アメリカ郊外の町に住む不良のリリーと真面目なアリソンは正反対の性格だが姉妹のように仲良し。いつも何もない町で退屈な毎日を一緒に過ごしていた。ある日、町のはずれでLAから来た男の子たちと出会う。その中の男の子に恋をするリリー。リリーは男の子に会うため、車を盗んで町を抜け出そうとアリソンに持ちかける。アリソンは嫌々ながらも一緒に車を盗み、LAへ向けた行き当たりばったりの旅を開始するが――。

■感想
リリーとアリソンは郊外の町で退屈な毎日を過ごしていた。そんな二人にとっては、LAからやってきた男の子たちはさぞまぶしく見えたことだろう。LAの男の子に恋をしたリリーは車を盗んででも町を抜け出そうとした。そして、リリーに付き合わされる形でアリソンも同行することになる。

リリーの若さゆえの過ちがすさまじい。後先考えずに自分の欲望に素直になる。その先にあるのは、不幸な結末しかない。親たちを捨てる形でLAへ飛び出したリリーとアリソン。男たちは、リリーたちのことを親身に考えているわけではない。

リリーとアリソンの関係は次第に危うくなる。リリーは目当ての男がいるが、アリソンにはいない。男たちからすると、アリソンは小言がうるさい委員長的あつかいだ。そんな状態となるとアリソンはリリーから離れ町に帰ろうとするのだが…。

リリーは男たちにそそのかされ、美人局のようなことをしようとする。ネットで引っ掛けたおやじを隠れ家に連れ込み、そこで金を奪う。最初はちょっとした軽い気持ちで会ったが、男のひとりが拳銃を取り出したことでリリーとアリソンは事の重大さに気づく。

美人局が成功し、味をしめた男たちは、リリーにもう一度やれとせがむ。そしてリリーはしぶしぶ言うことを聞くのだが…。ここで相手のおやじの抵抗にあい、男たちは手ひどいしっぺ返しを食う。そして、リリーは襲われそうになるのだが…。

ラストの展開は衝撃的だ。リリーとアリソンはただ都会にあこがれていただけ。出会った男がもう少しまともであれば、また違った結末があったのかもしれない。若い女の子が都会にあこがれるのはよくあること。それを無理やり押させつけるのは難しいのだろう。

アリソンには同情せざるお得ない。



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