キューバでアミーゴ! 


 2021.9.2      外食1回が1ヶ月分の給料くらいかかる 【キューバでアミーゴ!】

                     
キューバでアミーゴ! / たかのてるこ
評価:3
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■ヒトコト感想
作者であるたかのてるこが今度はキューバに行く。キューバのイメージは野球やレゲエくらいしかない。ラテンなイメージはあるのだが…。共産主義国ならではの苦悩というか、非常に驚かされる内容となっている。まず一番驚いたのは旅行者と現地人の貨幣価値の違いだ。旅行者用の通貨と現地人用の通貨があり、旅行者用の店と現地人用の店と別れているらしい。

キューバが外貨を手に入れる手段のメインが観光ということは驚きだ。1回の外食で現地人の1ヶ月分の給料が吹っ飛ぶらしい。日本で考えると1回の外食で30万くらいつかうような感覚だろう。作者は友達となった現地人に外食をたかられることを最初に不満と思っていたのだが、最後にはそれらすべてをひっくるめての明るく楽しいキューバにのめりこんでいる。

■ストーリー
「ラテンのアミーゴを作るぞ!」。そう願って旅立ったキューバ。そこで出会ったアミーゴと笑顔&抱擁を交わすうち、日々の愛おしさ、家族や友だちの有難さに気づいていく。いつでも笑い、どこでも踊る―底抜けに明るいパワーに圧倒され、てるこの興奮も最高潮。「アミーゴ、愛してるよ~!」。情熱の旅、再び。いざ、ディープなラテンワールドへ。

■感想
キューバの日常というのは謎に包まれているが、イメージとしてはブラジルに近いのかもしれない。明るくラテンなのりで、野球が盛ん。アメリカと仲が悪く…。程度の知識しかない。共産主義ということで、貧乏だということは想像できた。

旅行者としてやってきた作者はすぐに現地人と友達になる。これは作者の気質ゆえなのか、それともキューバ人の性質なのか。作品を読んでいくと、キューバ人の誰もが明るく楽しく他者に対しては助け合いの気持ちが強いような気がした。貧乏なだけに、お互いが助け合うという思いが強いのだろう。

驚きなのは現地人たちの生活だ。観光客専用の店があり、使える貨幣も異なる。現地人たちは豆や米など最低限必要なものは安く手に入るのだが、趣向品などには手がでない。共産主義として死なない程度に生かされてはいるが、金持ちになることはできないだけでなく、ちょっとした趣向品を買うことも苦しいのだろう。

観光客に対してはごく普通の物価でモノを売ったりしているのだが、その値段で現地人がモノを買えるわけではない。外食1回で1ヶ月分の給料が吹っ飛ぶというのはすさまじい。

現地人とラテンなのりで友達になる作者。すでに作者の中にもラテンなのりがあるので、打ち解けることに時間はかからないのだろう。衝撃的なのは離婚が当たり前であるだけでなく、離婚してからも自分の子供に頻繁に会いに行ったりする部分だ。

離婚が普通で養育費などが存在しない世界では、離婚のハードルが下がる代わりに離婚した後も子供との交流は続くのだろう。キューバは国としては謎めいているが、現地の人々は明るく楽しいというのがよく伝わってきた。行き当たりばったりのキャンプなんてのは最高かもしれない。

観光客と現地人の貨幣が違うということに衝撃を受けた。



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