今日も嫌がらせ弁当


 2020.9.9      すばらしいキャラ弁の味はどうなのか【今日も嫌がらせ弁当】

                     
今日も嫌がらせ弁当
評価:3

■ヒトコト感想
SNSでバズった内容が映画化されている。反抗期の次女の高校生に対して母親は嫌がらせのようにキャラ弁を作る。このキャラ弁のすばらしさがSNSでバズった理由だろう。作中に登場してくるキャラ弁は確かに当時の流行を反映させたすばらしいものだ。ただ、どうしても弁当ということで味について考えてしまう。

ほぼすべてのキャラ弁で、素晴らしい絵が描かれているのだが、その絵はスライスチーズをキャンパスに海苔で描いている。反抗期の次女はしだいに母親のありがたさに気づく。母が過労で倒れたりすると、関係性は深まっていく。反抗期だからといって毎日毎日、趣向を凝らしたキャラ弁で対抗するというのがちょっと普通ではないのは確かだ。

■ストーリー
シングルマザーのかおりは、自然と人情が豊かな八丈島で、次女の双葉と暮らしている。可愛い娘が高校生となり反抗期に突入、話しかけても返事すらしない。かおりは娘の嫌がる“キャラ弁”を作り続けて逆襲するが、やがてそのお弁当は、母から娘への大切なメッセージへと変わっていく。娘もまた「ウザい」とぼやきながらも、何かを受け取るように一口も残さず食べ続ける…。

■感想
シングルマザーの家庭で次女が反抗期となる。なんでもかんでもウザいという言葉で済ませてしまう。執拗に絡む母親というのは娘からしたらウザい存在なのだろう。ただ、シングルマザーで長女が家を出て独立している状況というのが、より次女を反抗させているのだろう。

次女とのコミュニケーションの一環なのか、母親はキャラ弁を作り始める。おそらくは才能があったのだろう。チーズの上に器用に海苔を使って絵を書く。味はさておき、見た目のインパクトはすさまじいものがある。

作中ではシングルファーザーが登場してくる。母親と交流をもつので、もしかしたらこのままラブロマンスへと続くのかと思いきや…。やはりメインは母と娘の関係なのだろう。高校生女子なりの恥ずかしさと、恋する乙女の気持ちもある。

クラスメイトや教師までもが、今日はどんなキャラ弁かと楽しみにするほどのクオリティだ。物語の舞台が八丈島というのもあるのだろう。高校を卒業し就職するにあたって、次女は東京へと就職しようとする。となると、母親との別れもある。泣ける場面であることは間違いない。

睡眠時間を削ってのキャラ弁づくり。確かに、毎日違ったキャラ弁を作るというのは並大抵のことではない。その時流行っているものをキャッチしキャラ弁へと取り入れる。多少は味のことを考えないといけない。娘の方も文句を言いながらしっかりと残さず食べているのがよい。

ラストは八丈島を出ていく娘に対しての最後のキャラ弁だ。巨大なお重に二段重ねの巨大弁当となる。なんとも泣ける場面だ。娘は今はそこまでわからないと思うが、自分が母親になった時に、母の偉大さに気づくのだろう。

実話をベースとしているところがよい。



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