クロッシング・デイ


 2019.6.1      犯罪者が再犯する心境【クロッシング・デイ】

                     
クロッシング・デイ
評価:3.5

■ヒトコト感想
全体的に見ると、ただのチンピラたちが犯罪を犯して捕まる物語でしかない。ただ、本作は実話をベースとしており、チンピラのブライアンが一度逮捕されたことで、家族との関係の重要さに気づくという物語だ。ブライアンとポーリーは今までうまく逮捕を逃れていたのだが…。ブライアンは典型的なダメ人間だ。

他人に暴力をふるい酒とドラッグにハマる。家族をないがしろにしてついには逮捕されてしまう。そこから5年服役したことで、家族のありがたみに気づくのだが…。出所してから、まっとうな仕事につくのだが、金は稼げない。金のことで家族と険悪な雰囲気となり、また悪の道で手っ取り早く金を稼ごうとする。まさに犯罪者の再犯の過程をみるようだ。

■ストーリー
ブライアン(マーク・ラファロ)とポーリー(イーサン・ホーク)は、まるで兄弟のようにサウスボストンのストリートで生きていた。毎日、喰うか喰われるかの生活─初めは軽い犯罪のつもりで手を出すが、やがて深刻な犯罪となり…遂にパット(ブライアン・グッドマン)が仕切る闇組織の支配下に身を落としていく。ブライアンは、ますますドラッグにハマり、妻(アマンダ・ピート)や彼の子供をないがしろにしてしまう。

悪事を働いていた2人は、遂に逮捕され5年服役するが、服役中に問題を起こしてしまう。ポーリーは家庭のあるブライアンをかばい、自分1人の行為という事にした。先に刑期を終えたブライアンは家族の為に更生しようとする。一方、ポーリーは“最後の大きなヤマ"を計画し、この世界から脱しようとしていた。ポーリーは、ブライアンを誘うが、それは危険な強奪計画であった…

■感想
ブライアンとポーリーは典型的なチンピラだ。ボスから使いっ走りのような仕事ばかりを押し付けられる。暴力により相手を支配し金を手に入れようとする。かなり荒っぽいことを繰り返しているのだが、偶然にも警察には捕まっていない。

ブライアンには家族がいるのだが、酒とドラッグまみれのブライアンに妻は嫌気がさし、子供たちもブライアンには寄り付かない。ブライアンと比べると、一見ポーリーはまともに見えるのだが、家族がいないため、やりたい放題なのは間違いない。

ブライアンとポーリーの関係は良好だ。警察に捕まり服役中でもふたりは良いコンビとなっている。5年間服役したことでブライアンに少しづつ心境の変化が生まれてくる。ポーリーはひたすら楽して金を稼げることを考えようとする。

ブライアンは家族の大切さに気付き、真っ当な仕事について家族を養おうとする。酒とドラックを辞めたのだが…。金がないことがブライアンに大きなプレッシャーとなる。真っ当な仕事では大金は稼げない。そして、家族を養うことができない。とてつもないジレンマだ。

ポーリーは手っ取り早く大金を手い入れるために現金輸送車を襲うことをブライアンに提案する。絶対にうまくいかない案なのだが…。ブライアンは悩み苦しむ。ここでの決断が人生の分かれ目となるのだろう。ポーリーはどのような選択をするのか。

ブライアンは家族の顔が頭の中に浮かんでいたとして、どのような決断をとるのか。本作がすべて実話をもとにしていることに驚いた。フィクションであれば、なんてことないごく普通のチンピラ映画でしかない。

ラストのブライアンの決断が実話っぽい。



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