クリムゾン・タイド


 2020.11.30      核ミサイルを発射するか否か【クリムゾン・タイド】

                     
クリムゾン・タイド[ デンゼル・ワシントン ]
評価:3

■ヒトコト感想
ロシアの反乱軍が核ミサイルでアメリカと日本を攻撃すると通知してくる。アメリカの原子力潜水艦アラバマが出撃し、対抗しようとする。原子力潜水艦での核ミサイルの戦いでは、先制攻撃が圧倒的に有利とはいえ、ひとつ間違えれば核ミサイルの撃ち合いとなり、地球が滅びる可能性すらある。新任のエリート軍人であるハンターが、叩き上げの艦長ラムジーと反目しながらも、自分の信念を貫き通す物語だ。

ロシアの反乱軍との戦いがあり、その最中で司令部から連絡が途絶えることになる。核ミサイルを発射すべきか、それとも途中で中止命令がでたのか。わからない状態であれば再確認するべきという考えのハンターがラムジーと争い、最後にどうなるのか…。核ミサイルの発射で世界が滅びる可能性がある場合、自分ならばその決断はできないと思った。

■ストーリー
冷戦後の国際情勢は、ロシアの反乱軍が核ミサイルを奪取し、米国と日本を攻撃するとの脅迫で再び緊迫。この事態に核兵器を搭載した米の原子力潜水艦アラバマが緊急出動した。艦長はたたき上げのラムジー大佐(ジーン・ハックマン)。副艦長は新任のエリート、ハンター少佐(デンゼル・ワシントン)。目的海域に達したアラバマは本国からの指令受信中に魚雷の攻撃を受け、通信が途絶える。指令の確認を優先とする副艦長と即時攻撃を主張する艦長は激しく対立し、艦内は緊張が走る・・・。

■感想
潜水艦ものにハズレはないという都市伝説のとおり、潜水艦を舞台とした映画は緊迫感にあふれ手に汗握る展開が良い。本作も、司令部からの命令が一度は核ミサイルの発射となってはいたが、その後、次の命令を正確に受信することができず、途中で命令を読み取ることができない状態となった。

となると、それはミサイル発射中止の命令なのか、それとも…。エリート軍人であるハンターが副館長として堅物で現場主義の艦長ラムジーと対立する物語だ。それまでにも考えの違いがあり、反乱のような形でラムジーがミサイル発射を強行しようとするのがすさまじい。

クライマックスまでの伏線としてラムジーはハンターに対して、意見するのは良いが部下がいない場所で意見しろと命令する。部下がいる場所では常に艦長のYESマンとなるように求めるラムジー。一部の部下からは現場主義であるラムジーを師事する者も多いのだが…。

ハンターはきっちりとした性格なだけに、軍の規律を守り正しい手順で命令を遂行しようとする。中途半端な命令が来た場合、その命令の内容を再度確認してから実行するのか、それとも正しく受信できた命令の段階だけで突っ走るのか。ふたりの意見は対立し続ける。

潜水艦同士の緊迫感あふれる戦いも強烈だ。ロシアの潜水艦が魚雷で先制攻撃してくる。それに対して、必死に逃げるアラバマ。魚雷によるバトルと、潜水艦内部での緊張感あふれる展開。密閉された潜水艦の中で兵士たちが艦長の命令で動き出す。

魚雷を装填してから発射までの時間や、ソアーにより敵の位置を探る展開など、潜水艦モノならではの展開が良い。潜水艦同士の対決というのはハラハラドキドキしてくる。そこからどのようにして敵を倒しつつ、司令部からの命令を再度入手するのか。

艦長と副館長が対立するのは軍としては最悪の展開だろう。



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