クリミナル 二人の記憶を持つ男


 2018.10.19      ケビンコスナーが異常者役を好演 【クリミナル 二人の記憶を持つ男】

                     
クリミナル2人の記憶を持つ男 [ ケヴィン・コスナー ]
評価:3

■ヒトコト感想
CIAのエージェントのビルが重大な秘密を抱えたまま死亡した。アメリカのミサイルを遠隔操作可能なソフトウェアを保持する男をかくまったまま死亡したため、周りは慌てふためく。ビルの死体から記憶を移植することが提案され、その移植先に選ばれたのは凶悪な犯罪者であるジェリコだった。

まずこのジェリコがすさまじい。感情がなく相手をこん棒で躊躇なく滅多打ちにできる男。そんな男にビルの記憶が移植され、ジェリコは逃げ出してしまう。ジェリコがビルの家族と出会った際に、その記憶を思い出し家族に手をだすのをやめる。その後、感情のない男のはずが、感情が生まれ人間らしい行動をとるようになる。ちょっとした感動物語になっている。

■ストーリー
CIAロンドン支局のエージェント、ビルが重大な極秘任務の最中に死亡した。彼は米軍の核ミサイルさえも遠隔操作可能な恐るべきプログラムを開発した謎のハッカー、ダッチマンの居場所を知る唯一の人物だった。巨大なテロを阻止するためにダッチマンを捜し出す最後の手段は、脳手術によってビルの記憶を他人の脳に移植すること。

その移植相手に選ばれたのは、幼い頃に父親から受けた虐待が原因で人間的な感情や感覚を失ってしまった凶悪な死刑囚ジェリコ。手術は成功するが、ロンドンの街へ逃走したジェリコは、自分自身と正義感あふれるビルの“2人の記憶”に引き裂かれながら、テロリストとの壮絶な闘いに巻き込まれていくのだった……。

■感想
まずジェリコの無法者感がすさまじい。記憶の移植前の護送中に、運転手を殺して脱出してしまう。町にでてちょっとしたいざこざがあると、すぐに相手を殴る。黒人の若者たちが乗るトラックを奪い取りそのまま逃走してしまう。まさになんでもありな状況だ。

そこから、ジェリコの中のビルの記憶が鮮明になりだし、ジェリコがだんだんとビルの記憶どおりの行動をとる。核ミサイルの制御ソフトを手に入れたい者たちはジェリコを追いかけるが、ジェリコがあべこべに返り討ちにするパターンもある。

ジェリコの心境が変わっていくのがポイントだろう。無感情で相手をぶちのめしていたジェリコが、相手のことを考え、ビルの妻や娘のために自分の命をかけて助けようとする。それまでのジェリコからは想像できない状況であることは間違いない。

ミサイルを遠隔操作するソフトもすさまじいが、死体の脳から記憶を他者に移植する技術もすごい。強烈な技術ではあるが、それを追いかける者たちは、わりと泥臭い方法で追いかけている。ジェリコの変わりようはすさまじい。

ミサイルの遠隔操作プログラムを作成したダッチマンもすごいが、それよりも、そのソフトを奪おうとするハッカーの方が恐ろしい。勝手にネットに侵入しタクシーのカーナビを変更して行き先を変えたり、ノートPCひとつでジェリコを追跡したり。

ここまでの技術があれば、ミサイル遠隔操作のソフトも作れるのでは?と思ってしまう。ジェリコはビルの記憶があるだけに、最後はビルの記憶を使いどんでん返しを用意している。

ケビン・コスナーが異常者の役をやるのは意外だ。



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