KUBO クボ 二本の弦の秘密


 2020.9.28      折り紙をテーマとしたストップモーションアニメ【KUBO クボ 二本の弦の秘密】

                     
KUBO/クボ 二本の弦の秘密[ アート・パーキンソン ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
日本をテーマとした物語が海外で作成される、多少の違和感がある。主人公の少年クボは三味線の音色で折り紙に命を与え、折り紙を動かすことができる。闇の力をもつ祖父に狙われたクボは、自分の出自を明らかとするための旅にでる。基本は冒険物語だ。

クボのお供は擬人化されたサルとクワガタだ。闇の刺客がクボたちに襲いかかりながらも、クボは特別な鎧や剣を手に入れることで闇の力に対抗しょうとする。ストップモーションアニメというのだろうか。静止した物体を少しづつ動かして撮影し動いているように見せる。日本人が見ると多少違和感をおぼえる描写もある。海外の人がイメージするわかりやすい日本像なのかもしれない。仲間を引き連れて戦うというのは、桃太郎的なイメージなのだろうか。

■ストーリー
三味線の音色で折り紙に命を与え、意のままに操るという、不思議な力を持つ少年・クボ。幼い頃、闇の魔力を持つ祖父にねらわれ、クボを助けようとした父親は命を落とした。その時片目を奪われたクボは、最果ての地まで逃れ母と暮らしていたが、更なる闇の刺客によって母さえも失くしてしまう。

父母の仇を討つ旅に出たクボは、道中出会った面倒見の良いサルと、ノリは軽いが弓の名手のクワガタという仲間を得る。やがて、自身が執拗に狙われる理由が、最愛の母がかつて犯した悲しい罪にあることを知り―。かつて母と父に何があったのか?三味線に隠された秘密とは?祖父である<月の帝>と相対したとき、全ては明らかとなる―

■感想
クボは母親を亡くしたことをきっかけとして旅にでる決意をする。お供は謎のサルだ。このサルがのちにわかることだが、実は母親の生まれかわりとなっている。サルの手引きにより旅をすすめ、特別な剣を手に入れることに成功する。

もうひとりのお供であるクワガタも登場してくる。これも後で判明するのだが、実はクワガタは父親の生まれかわりだった。サルとクワガタをお供に剣と鎧と兜を手に入れるために旅を続ける。旅の最終目標は闇の力をもつ祖父を倒すことだ。

桃太郎的な流れなのだろう。クボ自身には大した力はないのだが、サルとクワガタの助けによりクボは剣や鎧を手に入れることに成功する。途中で、闇の力をもつ刺客が登場してくる。この刺客は実は母親の妹にあたる人物でクボを執拗に付け狙う。

サルが自分の姉ということを知りながら攻撃してくる刺客。サルと刺客の闘いは見ごたえ十分だ。クワガタは少し間抜けな役回りを演じている。弓の名手ではあるが、クボを見失ったりとポカをやらかす場面も多々ある。サルが格闘、クワガタが弓で戦う物語だ。

後半になるとクワガタが実は父親の生まれかわりだと知らされることになる。クボは自分と苦楽を共にしてきた仲間が、実は両親だったことに衝撃を受ける。闇の力をもつ祖父との対決では、クボが三味線の力を使い勝利する。

ストップモーションアニメの良い部分がこれでもかと表現されている。ただ、海外の人がイメージする日本人像なので、ちょっと違和感をおぼえてしまう。日本にはない話でありながら、どこか桃太郎的な要素もあるので、不思議な印象を受けるストーリーだ。

日本人では生み出せないパターンのストーリーかもしれない。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp