荒野の誓い


 2020.11.27      白人とインディアンの根深い因縁【荒野の誓い】

                     
荒野の誓い [ クリスチャン・ベール ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
インディアンと白人の根深い争いを描いた作品。冒頭からいきなりロザリーの家族が原住民のコマンチ族に皆殺しにされてしまう。ロザリーだけが何とか生き残ったのだが…。小さな子供までもが殺されてしまう。ここで原住民に対する怒りの気持ちを観衆はもつ。騎兵隊のジョーは原住民の酋長に自分の仲間を目の前で虐殺された恨みを持ち、原住民たちを殺すのが当たり前という感覚でいる。

そんなジョーに対して上層部は囚われていた酋長たちを故郷へ無事帰すように護衛を命令する。非常に酷な任務だが受け入れるジョー。道中で他の原住民たちに襲われ、それらに反撃しながら進むうちに酋長たちとの関係が変わっていく。ロザリーの原住民に対する恨みは相当なものなのだろう。

■ストーリー
敵と戦い、敵を知り、敵を赦し、人は初めて真の誇りを勝ち取る。1892年アメリカ。騎兵隊大尉ジョーはかつての宿敵であるシャイアン族の長とその家族を居留地へと送り返す任務を命じられる。ニューメキシコからコロラド、そしてモンタナへ。コマンチ族の蛮行によって家族を殺された女性ロザリーも加わり一行は北を目指す。危険に満ちた旅をとおして、お互いが協力しないことには生きてはいけない状況に置かれていることを知る……。

■感想
インディアンと白人との確執は良くテーマとされている。冒頭でロザリー家族が惨殺されたことを描き、コマンチ族の残虐性をこれでもかとアピールしている。ジョーについても、過去に同僚をインディアンに虐殺された恨みがあり、インディアンは殺してもよい存在として理解している。

インディアンの酋長を故郷に帰すことに最後まで反発し、殺すことを提案したりもする。ジョーのインディアンへの恨みというのは、他の者たちにもその意識は伝わっていく。ジョーの心の中では根深い恨みがある。

インディアンたちをジョーが護衛しながら移送する。その際にロザリーと出会い一緒に移動することになる。ロザリーの混乱っぷりはすさまじい。ジョーや他の騎兵隊たちと共に旅をする。道中では、コマンチ族に襲われ、それをジョーたちで撃退したりもする。

インディアンの酋長たちと協力してコマンチ族を撃退する。この段階では、ジョーと酋長たちはまだ協力体制は築けていない。ロザリーとインディアンの女たちは交流をもち、酋長とジョーとも和解が近いような雰囲気となる。

途中の町で、インディアンを虐殺した反逆者を移送することになる。この男とジョーは昔なじみであり、その関係でジョーが昔と変わったという。昔であればジョーとインディアンの酋長が同じ場所にいることなど、ありえないらしい。

コマンチ族の襲撃や、その他の盗賊たちの戦いで疲弊しながらも、ジョーと酋長との友情は強固になる。激しい戦いの中で、インディアン側も多数の死者がでる。そして、そこから、ロザリーとインディアンたちの友情が深まったりもする。

インディアンと白人の根深い因縁がうかがわれる物語だ。



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