コッホ先生と僕らの革命


 2019.8.5      ドイツの管理教育を変える熱血教師【コッホ先生と僕らの革命】

                     
コッホ先生と僕らの革命
評価:3

■ヒトコト感想
ドイツにサッカーが根付く前の物語。ドイツ初の英語教師であるコッホが、それまでのドイツの教育では主流であった規律・服従の精神から自立していく様子が描かれている。この手の熱血教師モノの定番パターンは押さえられている。教室内でのいじめや反抗的な生徒。独自の教育を批判的に見る外野たち。そして、コッホを目の敵にする者たち。

それらと対立しながらも、コッホは生徒たちにサッカーの魅力を伝え、ついには生徒たちが自発的にサッカーにのめりこむようになる。おまけとしては、生徒のひとりが父親をそそのかして家の工場でサッカーボールを作らせる話をする。そして、サッカーが流行ることを見越してサッカーボールを売り出したりもする。

■ストーリー
今や誰もがサッカー強豪国として認めるドイツ。しかし反英感情が根強かった19世紀末では、英国生まれのサッカーは“反社会的”なものとされていた。そんな中、地方都市の名門校に英国からドイツ初の英語教師として赴任したコンラート・コッホ。教育が「規律・服従」であった時代に、型破りな教師コッホが授業に取り入れたサッカーを通じ、生徒たちが自立、成長してゆく姿を、爽やかな感動とともに描きだす。

■感想
英語教師であるコッホは、教師の圧力と暴力により生徒を押し付ける教育を目の当たりにする。コッホはそれらを変えようとする。英語教師として正しい英語を教えようとする。生徒たちは、ドイツはイギリスとは敵対関係にあることから、言葉を学ぶよりも戦い方を学びたいという。

教師たちの凝り固まった考え方が、生徒たちに悪しき影響を与えている。コッホは自由を与えるために、授業中にサッカーをし、サッカーの楽しさを生徒たちに伝えようとする。

コッホの生徒の中には、いじめを扇動する悪ガキが存在する。父親が大会社の会長であり、学校にも強い影響力をもつ。悪ガキは父親の圧力の前に常に言いなりになっている。そんな生徒をコッホはサッカーを通して変えていく。

他の生徒たちも、最初はサッカーに懐疑的であったが、いつの間にかサッカーに夢中となる。授業中のサッカーが禁止されたとしても、放課後に集まり公園でサッカーを楽しんだりもする。唯一反発していた悪ガキも、ついにはサッカーに交じり一緒に楽しむことになる。

隠れてサッカーをしていたことが新聞に大きく報道される。イギリス発の暴力的なスポーツということで、たちまち批判が嵐のように吹き荒れる。そこで国からサッカーを教育に取り入れるための視察団がやってくる。

サッカーはどのように評価されるのか。楽しくサッカーをプレイすることにどのような影響があるのか。今やサッカー大国となったドイツでも、実は近年までサッカーが禁止されていたということは驚きでしかない。

わかりやすい、熱血教師パターンだ。



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