キル・ユア・ダーリン


 2019.2.16      実話ということに衝撃を受ける 【キル・ユア・ダーリン】

                     
キル・ユア・ダーリン [ ダニエル・ラドクリフ ]
評価:3

■ヒトコト感想
実在した人物を基にした作品。何事にも反抗したいという若者ならではの思いが、悪い方向へすすんでいく。大学に合格したアレンは、大学で悪友たちと出会う。そこで羽目をはずしながらも、自らが生き生きとしていることに気づく。酒を飲み、パーティに出席し、そして悪ふざけをする。図書室に忍び込んで重要な本を入れ替えたりもするのだが…。

それぞれの親たちは、友達が悪いというばかり。アレンは中でもルシアンに心酔していき、お互いが意識し合うようになる。同性愛も絡みながら、創作活動の原動力となる行動について描かれている。ルシアンのことを気にかけた男がおり、ルシアンとトラブルとなる。その結果は…。これが実話を基にしたということに衝撃をうけた。

■ストーリー
1944年、コロンビア大学に合格したアレン・ギンズバーグ。大学の正統な姿勢に不満を覚えたアレンは、ルシアン・カー、ウィリアム・S・バロウズ、ジャック・ケルアックのような聖像破壊の友人に引き寄せられていく。中でもルシアンへの想いが自分の創作活動の原動力になっていくのを強く感じていた。しかし彼らの創造のための欲求と選択は、重大な過ちを招くことになるのだった…

■感想
コロンビア大学に入学したアレンは、大学で新しい出会いをする。今まで親の言うことをよく聞くまじめ一辺倒だった男が、大学デビューをする。そこでは、はじけ酒を飲み、人生を謳歌する。そして、タブー視されてきたことに対してあえて挑戦したりもする。

若者特融のなんとも言えない解放感が伝わってくる。モラトリアムの時期だからと、それだけで説明できるものではない。創作活動に対しての新たな着想を得る助けにもなっていることは間違いない。この強烈な解放感はすばらしい。

アレンはルシアンと親密な関係となる。ただ、ルシアンは同性愛者の恋人がいる。同性愛をタブーとした時代の物語なだけに、アレンは同性愛ということを隠しながら女の子と遊んだりもする。ルシアンも何かの呪縛から逃れるように暴れまわる。

この暴れっぷりが同性愛の恋人を避けるためなのか、それとも…。自分の中ではルシアンの気持ちがよくわからなかった。アレンに心配させたいだけなのか、それともアレンの気を引きたいからなのか。実在の人物なだけに、エンディングでそれらを否定しているのが面白い。

ラスト間際には衝撃的な事件が発生する。ルシアンが恋人を刺殺する。そして、アレンは同性愛の道へとおぼれていく。その経験をへてアレンは詩人として成功していく。実在の人物が、その青春時代を赤裸々に語られるのはどんな思いなのだろう。

映画化されるとなると、あることないこと脚色されたとわかっていたとしても腹が立つかもしれない。強烈なインパクトはないのだが、これらがすべて実話に基づいているということには衝撃を受けずにはいられない。

実話ということに衝撃をうけた。



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