完全なる報復


 2020.12.14      留置場から復讐をやり遂げる男【完全なる報復】

                     
完全なる報復
評価:3.5

■ヒトコト感想
クライドは侵入してきた強盗2人組に目の前で妻と子供を殺されてしまう。犯人は逮捕されたのだが…。裁判ではひとりは死刑だが、もうひとりは5年で出所することになる。クライドの復讐物語であることは間違いない。検事に対してクライドは執拗に食い下がるのだが、重い判決が下ることはない。

クライドはエンジニアとしての能力を活かして復讐を始める。恐ろしいのは、クライドが逮捕拘留されてからもその復讐が終わらない部分だ。本来なら死刑執行され楽に死ぬはずだった強盗犯に苦しみを与えて殺す。もうひとりの犯人は激しい痛みを感じさせて殺す。すさまじい執念での復讐劇となる。それを知りながら検事はクライドを止めることができない。

■ストーリー
ある夜、エンジニアのクライドは侵入してきた2人組の強盗に目の前で妻子を惨殺され、自らも瀕死の重傷を負う。犯人はすぐに逮捕されるが、検事と主犯の男との司法取引によって犯人は極刑を免れてしまう。10年後、クライドは出所してきた犯人を殺害し投獄されるが、彼の復讐はそれだけでは済まなかった…。

■感想
妻と娘を殺された恨みをはらすべく天才エンジニアのクライドが動き出す。序盤ではクライドを失意のどん底に叩き落した犯人たちは逮捕されるのだが、ひとりは司法取引で逃げ切ってしまう。このことでクライドは国の司法に対して強烈な恨みをもつ。

犯人だけでなく悪を裁く側についても復讐するのがポイントだ。クライドは着々と準備をすすめ、まずは死刑執行される犯人のひとりを辛く苦しい刑として細工をする。司法取引で逃げ切った犯人については、体を動かなくし意識だけを残し痛みを与えて殺害する。かなり残酷な復讐手段だ。

クライドは犯人を殺害した容疑で逮捕拘留される。そこで事件を担当した検事がクライドを取り調べるのだが…。クライドはすべて先を見越して行動している。事件の弁護士を監禁し、助けるためには豪華な食事を要求したりもする。

留置場の中で検事にあれこれ要求し復讐を続ける。これはまるでハンニバルのレクター博士のような状態だ。クライドは留置場にいながらも、弁護士は殺され、事件を裁いた裁判官すらも殺されてしまう。クライドの恐ろしさはすさまじい。

クライドが留置場にいながらもクライドの復讐におびえる者たち。検事たちは外部からの協力者を疑っているのだが、そうではなくひたすらクライドは単独で目的を達成している。留置場の中で、あえて相部屋の男を殺害し独房に入れられ、そこからひそかに地下を移動し復讐を続ける。

次々と関係者が殺されていく中で、検事はクライドを追い詰めていく。クライドの動きというのがかなり特殊だ。どれだけ注意していたとしても、クライドの復讐を止めることができない。

クライドはまさにレクター博士のように見えた。



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