2019.4.13 何も知らない状態で見るべき作品だ【カメラを止めるな】
カメラを止めるな! [ 濱津隆之 ]
評価:3
■ヒトコト感想
上映当初はネタバレ禁止と話題になっていた作品。見た人すべてが、最後が驚きだと絶賛していた作品でもある。自分はある程度前情報として仕組みを知っていたので、正直面白さをあまり感じなかった。何も知らずまっさらな状態で本作を見たとしたらどう思うだろうか。前半の映画で駄作だと思いながら、そこにはしっかりと理由があったという後半のネタバレに驚き楽しめるのだろう。
正直、予習しておかなければよかったと思ってしまった。後半の流れはある程度予想がつき、右往左往しながらも撮影を根性で終えるという流れは良い。もう一度、最初から映像を見ればより楽しめるのだろうか。何も知らずに低予算映画としてだけ本作を見れば、前半の作品だけで完結したと思ってしまうかもしれない。
■ストーリー
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画を撮影していた。本物を求める監督は中々OKを出さずテイクは42テイクに達する。そんな中、撮影隊に本物のゾンビが襲いかかる! 大喜びで撮影を続ける監督、次々とゾンビ化していく撮影隊の面々。“37分ワンシーン・ワンカットで描くノンストップ・ゾンビサバイバル! "―――を撮ったヤツらの話。
■感想
ワンシーン・ワンカットでノンストップゾンビ映画を描く。それだけの事前情報で本作を見たとしたら、確かに楽しめただろう。前半の映像が本編と思い、その出来を確認しながら物語を楽しむことになる。となると、いろいろと粗が見えてくる。確かにワンカットで撮るのはすごい。
ただ、そのために余計なモノや人物が入り込み、叫び声だけでなかなかカメラが動かないなど、失敗作のようなイメージがある。それが実は仕掛けがあり…。前半の映像に文句を言う映画通であればあるほど、後半が楽しめるだろう。
本編が終わりエンドロールが流れる。そこからこの映画の内幕が明かされることになる。ここからが本作のメインだろう。どのようにしてワンシーンワンカットでゾンビ映画を撮影するのか。それも生放送というのがすごい。
AmebaTVでもありえない流れではないだろうか。監督はストレスを抱えながら出演者やスポンサーたちに気を使い、なんとか映画を成功させようとする。生意気な主演俳優やアル中の俳優や、腰を痛めたカメラマンまで、それらが後で活きてくる。
前半の映画での不自然なシーンの理由が後半で明かされる。なぜあのような状況になったのか。無駄話や急に趣味の話になるなど、間延びしたのはアクシデントがあったから。ゾンビがカットしたはずのゲロを吐く。それはアル中の俳優が酔って吐いたためだ。
まさに面白シーンの連続だ。前半だけを見て駄作と文句を言った人は、この仕掛けを見て驚くことだろう。仕掛けを知らなければ、話題通り驚いて楽しむことができる。ただ、自分の場合は仕掛けを知っていただけに、最初から気になるポイントはなぜか?と考えながら見てしまった。
ネタバレなしで見るべき作品だろう。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp