海賊と呼ばれた男


 2018.11.30      重要な局面での大博打には必ず勝つ 【海賊と呼ばれた男】

                     
【海賊とよばれた男】
評価:3

■ヒトコト感想
原作は未読。出光の創業者がどのようにして会社を大きくし仕事を広げていったかが描かれている。国岡商店として石油業でどのようにして成り上がってきたのか。その過程では様々な障害があり、石油業以外の仕事をしながら生き永らえたりもした。

時代を先取りする目と困難に立ち向かう胆力。さらには競合他社や海外のメジャー石油会社に対しても臆することなく対決する姿勢。場合によっては戦地にでも石油を売りに行き、世界のつまはじきにされているイランから石油を輸入したり。一代で巨大な石油会社を作り上げるには、並大抵のことではない。出演する俳優陣たちもそれなりに豪華なので、見ていて飽きることがない。

■ストーリー
百田尚樹の小説を山崎貴監督、岡田准一主演で映画化。主要燃料が石炭だった時代から石油の将来性を見抜いていた国岡鐡造。彼は北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者など様々な壁に行く手を阻まれる。

■感想
国岡鐡造が自身の石油販売会社をどのように大きくしていったかを過去と晩年をいったりきたりしながら描いている。最初はぽっと出の怪しげな石油として周りに受け入れられないが、国岡たちの必死の製品開発で周りから認められ始める。

それと共に他社の縄張りを荒らすような真似をしてでも、強引に石油を売りさばくその姿から海賊と言われたりもする。非常に敵が多い人物なのだろう。イケイケの時はよいのだが、低迷したときに、周りから邪険に扱われるのは敵が多い証拠かもしれない。

人が手を出さないような危ないことやリスクのあることをやってでも仕事を手に入れようとする。低迷したとしても社員を解雇することなく、ほかの仕事をさせながら食いつないでいく。まさか全国の支店を使ってラジオの修理会社を作るとは思わなかった。

戦争が終わり、海外から石油の輸入が解禁になってからは、まさに国岡の決断力のすさまじさが描かれている。海外メジャーからの買収の要請をつっぱね、自前でタンカーを持つまでになり、ついにはイランから石油を輸入しようとする。まさに昭和の時代の風雲児だ。

今の出光の元となる会社が国岡商店らしい。社長のことを店主と呼び、社員のことを店員と呼ぶ。強いものにおもねるのではなく、あくまでも自分の信念を貫く。その結果として不幸な出来事が起こったとしても、それは自分の責任だと受け入れるしかない。

南方で石油を売ろうとした店員が戦死したり、妻が出て行ったり。波乱万丈の人生で、一歩間違えればたちまち破産のような状況もあったのだろう。ある意味、重要な局面での大博打には必ず勝利している。

原作を読んでみたくなった。



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