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　2020.6.29 　　 　　目が見えるようになり、現実を直視する【かごの中の瞳】

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かごの中の瞳[ ブレイク・ライヴリー ]
評価：2.5

■ヒトコト感想
事故により失明したジーナが角膜移植により目が見えるようになり、現実を直視する物語だ。昔からありがちなパターンかもしれないが、盲目の時の想像と現実とのギャップに心がざわめくパターンだ。ジーナが想像した旦那というのはどのような姿だったのだろうか。目が見えるようになり目の前にいるジェームズがごく平凡なことにがっかりする。

ジーナはかなり身勝手なように思えてくる。さらには、ジーナの目が見えることになったことで心だけでなく金髪にしたりとチャラくなっていくのはいただけない。ジーナの身勝手さと対照的にジェームズがかわいそうになってくる。それまで献身的にジーナに尽くしてきたジェームズにはあまりにも酷な仕打ちだ。

■ストーリー
ジーナは保険会社に勤める夫のジェームズと、彼の赴任先のタイ・バンコクで幸せな結婚生活を送っていた。子供の頃の交通事故で失明してしまったジーナだが、ジェームズの献身的な支えで、何の不自由もなく暮らしている。そんな2人の悩みと言えば、なかなか子供ができないことぐらいだった。ある日、医師のすすめで角膜移植を決意したジーナは、片目の視力を取り戻す。

喜びに震えるジーナの瞳が捉えたのは、想像していたナイトのように頼もしい素敵な夫ではなく、地味で平凡な中年男の姿だった。心の奥底に眠っていた好奇心や冒険心が目を覚ましたジーナは、髪を染め流行のファッションで着飾り、外の世界へと飛び出していく。一方のジェームズは、徐々に嫉妬と疑念の思いを抱き始めていた。ところが突然、ジーナが再び視力を失い始める―。

■感想
ジーナは盲目だが、角膜移植により目が見えるようになる。ポイントとしてはジーナが小さい頃に盲目となったということだ。音は聞こえるがそのものを見たことがない。ジェームズという優しい夫とバンコクで幸せな生活を送るのだが、目が見えることになったことで世界が変わる。

まぁ、ジーナをそこまで責めることはできないだろう。目が見えるようになり、目の前にいる冴えない男が自分の夫と知る。ジーナの頭の中ではどれだけ妄想が広がっていたことだろう。強烈なギャップであり、誰もが同じ現象に陥るだろう。

地味で平凡なジェームズとの暮らしに我慢できなくなるジーナ。ジーナが若いイケメンのたくましい男とよい感じになるのは辛い。ジェームズの思いを知ると余計辛くなるのだが、ジーナを強く責めることはできないだろう。

子供のころに見た世界から時間が止まっており、そこから一気に新しい世界が広がる。さらには自分が男から言い寄られる容姿をしていたと知ると、浮かれたくもなるのだろう。ジーナの浮かれ具合を知ってしまったジェームズはショックを受け、ジーナと険悪になるのだが…。

ラストは悲しい流れとなる。もし、自分がジェームズの立場だったらと思わず考えてしまった。逆にジーナの立場であってもジーナと同じような行動をとっていただろうか。今まで献身的に自分の世話をしてくれたジェームズをおいてほかの男に興味をしめすことがあるのだろうか。

ジェームズとしては裏切られたという気持ちが強くなる。そして、その段階でジーナが再び視力を失った時には、ジェームズと同じような態度をとるのだろうか。。。

昔からある設定だが、違った趣がある。