かがやき荘アラサー探偵局 


 2018.7.16      アラサー女子が読むとムカムカする? 【かがやき荘アラサー探偵局】

                     
かがやき荘アラサー探偵局[ 東川篤哉 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
東川篤哉得意の特徴的なキャラが活躍するミステリー短編集だ。今までは魔法使いや執事だったのだが、今回はアラサー女子というごく普通のキャラとなっている。ただ、アラサー女子で、なおかつ貧乏で共同生活をしている状況を踏まえての面白探偵ミステリーとなっている。

かがやき荘に住むアラサー女子の三人は、家賃をまけてもらうために調査をする。コスプレ、武闘派、メガネ美人とキャラの個性はあるのだが、アラサーということで残念な結果となっている。酒が好きで色気のないアラサー女子。イケてない日常の中で謎解きが組み込まれている。ミステリーとしての摩訶不思議感は少ないのだが、アラサー女子ならではのギャグをどれだけ楽しめるかにかかっている。

■ストーリー
女子力なんてお呼びじゃないわ。家賃は払えないけど犯人は捕まえるわよ! 西荻窪のシェアハウスでお気楽に暮らす女子三人組が、何の因果か探偵稼業に コスプレ系自称19歳の礼菜、茶髪武闘系の美緒、残念なメガネ美人の葵。こじらせ女子って一体誰のこと? 今宵も発泡酒片手に、その場しのぎのドタバタ迷推理で、ウチらに解けない謎はない! イケてない日常を笑い飛ばす、痛快新シリーズ!

■感想
物語のベースは富豪のおば様と、それに仕えることになる遠い親戚の男・啓介が狂言回し役だ。シェアハウスに住むアラサー女子三人に対して家賃をまけるから謎解きをしろというとんでもない展開だ。ミステリーとしての面白さは少ない。

アラサー女子三人が西荻窪をベースとして活躍する。西荻窪というのが微妙な土地のため面白いのかもしれない。女子三人がそろっているが色気のある話はひとつも登場してこない。あるのは、ひたすら貧乏で無理やり謎解きを行うパターンだ。

基本はこじらせ女子たちの面白行動や自虐的なギャグを楽しむべき作品だろう。ミステリーのトリックを解くあたりには、アラサー女子はほとんど関係ない。作者得意のキャラモノとしてはインパクトは弱いかもしれない。何か特殊な技能があるわけではない。

コスプレや武闘派だったりするアラサー女子なので、その特徴を活かした調査というのは少ない。富豪のおば様と啓介のやりとりの中でおまけのように登場してくるアラサー女子たちは、家賃をまけるというただそれだけのために行動する。

雑誌のモデルになってほしいと言われたアラサー女子だが、そこには事件に大きな関係がある。基本的に、アラサー女子はモテないという流れだ。モテないので素敵なおじさまから食事に誘われると、何か裏があると考えてしまう。

世間のアラサーの現状を表現しているわけではない。ただ、アラサーのイメージは徹底的に悪く描いているのは間違いない。ミステリーとしての面白さは少ない。キャラとしても少し弱い。同じアラサー女子が読むと、もしかしたらムカムカする内容かもしれない。

キャラ立ちはあまりない。



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