2022.1.26 スーの健気さは強烈だ【カーリー・スー】
カーリー・スー [ ジェームズ・ベルーシ ]
評価:3
■ヒトコト感想
ホームレスの少女カーリー・スーの物語だ。冒頭スーとビルの二人がみすぼらしい格好でレストランに入ろうとして追い出される。ビルが当たり屋をしたことでエリート女性弁護士であるグレイと出会う。グレイから金をせしめようとしたのだが、失敗するビル。そこから、もう一度、今度は本当にグレイはビルを車で轢いてしまう。
ここから、グレイとビルとスーという奇妙な三人暮らしがスタートする。グレイは人が良すぎるのか、それともスーの現状に同情しているのか。実はビルはスーとは親子関係ではなく、知り合いの子どもだと知る。グレイは美しく金もあり、何不自由ない生活をしていたのだが、そこに刺激が欲しかったのだろうか。スーの健気さが印象に残っている。
■ストーリー
ホームレスの少女カーリー・スーとその保護者のビル・ダンサー。2人は今日も当たり屋稼業に大忙し。今日の獲物はエリート女性弁護士グレイ・アリソン。まんまとカモにされた彼女は二人にご馳走するハメに。ところがその数日後、グレイがビルを本当にハネちゃった!こうして始まった奇妙な3人の関係は一体どうなるの! ?
■感想
一見、ホームレスの親子に見えるカーリー・スーとビル。ふたりは実は親子ではない。ビルの知り合いの女が生んだ子供の面倒をビルが見ているだけだった。日々食べるものにも苦労するふたり。勝手に結婚式に参加し勝手に食事に参加する。
金持ちの車に当たり屋をして、金をせびろうとする。結局はグレイから食事をごちそうしてもらう程度で終わったのだが…。スーとビルのふたりの会話からスーが久しぶりに歯を磨いただとか、温かいピザはおいしいだとか、それまでの厳しい生活をうかがわせる会話が続いていく。
一度目はビルがわざとグレイの車に当たったのだが、二回目はグレイが偶然ビルを轢いてしまう。そこから、スーとビルとグレイの奇妙な三人暮らしがスタートする。グレイは彼がいるのだが、ビルたちと住んでいることに激怒する。
ビルたちはひとり暮らしのグレイの部屋に居候しているのだが、そもそものグレイの暮らしが豪華すぎる。不思議な共同生活ではあるが、グレイはスーが文字を読めないことに気づく。スーが明るくふるまってはいるが、実は内心厳しい状況にあることを理解するグレイ。
グレイの彼氏の策略で児童相談施設にスーの状況が通報され、ビルは逮捕されてしまう。普通に考えればスーの状況は虐待に近いのだろう。ビルがなぜスーをほっぽり出さないのか。グレイという保護者ができたことでビルはいつでも逃げられる状態なのだが…。
グレイはスーを引き取ろうと考えている。ビルはどのように決断するのか。スーがグレイの家に帰ってくると、ビルの置手紙とおもちゃの指輪がある。これがあることで、ビルはスーを置いて逃げたのかと思い、スーは涙ぐむのだが…。
スーの健気さで物語として成立しているのだろう。
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